香港労働法 Hong Kong Labor Issues #41 日本人のための香港労働問題研究:香港人事部の基本概念 Q&A Basic Concepts of HR Department
Updated: Sep 8

香港人事部に限らず、労働組合と労務管理部門人事部・総務部の両方の観点を知るべき
労働者達が、労資関係において各企業において面するのは、各部門の管理職と法務部、人事部(HR)・総務部(アドミン)という事になる。資本家と一体化して、この労資関係を労務管理という人事部の、企業側の管理カテゴリーで処理するのが、全体の部門としては人事部或いは総務部ということになる。これは、日本も香港も同じである。
そして、現実問題として労働問題を労務の観点から労働者以上に関心を持っているのが、各部門の管理職と法務部、人事部、総務部という事になる。さらに、日本も香港も同様に学校で、一切労働問題に関して、労働法に関して、各専門分野と一緒に教育がされることはないという資本主義社会に普遍的な愚民政策が現実である。
労働者は、資本主義社会において、自身の権利について無知無関心であればあるほどより搾取されるというのが道理である。従って、自己努力として社会の労働問題、労働法制を理解すること、関心を持つ事は社会人として必須である。ブラック企業が横行する社会である日本も香港も同様に、この自覚的な努力が必要である。
人事部自体のアウトソーシングが香港では存在しているし、日本でも外部法律顧問を雇っていたり、外部の社労士団体に法的手続きを委託していたり、外部委託をしながら、またそれらに依存しながら労務管理を行う人事部、総務部が存在する。
中国の社会は、香港も、マカオも、大陸も、台湾も、基本的に資本主義社会である。大陸の人事部は、社会主義的な語彙で資本主義の人事部の理論を取り繕うのはマルクス主義的には極めてグロテスクであり、空虚であり、無理がある。資本主義の理論であることを素直に認めて、そもそも人事部、総務部の方法論や資本主義社会の労働法は、労働者階級の階級意志ではなく、支配階級である資本家階級の階級意志と、その同意内容の表現である事を率直に認めるべきである。これが、基本中の基本の理解となる。この方がマルクス主義的である。事物をその本来の名で呼ぶ事をレーニンも、トロツキーも再三説いていた。
そして、抽象ではなく、行動において、どこまで労働者階級の意思を反映し、その階級利益を実現するかにこそ社会主義的傾向、精神と価値は存在する。それこそが、共産党が管理する資本主義社会の理想と現実の矛盾であり、労働者階級はソ連の様に実際には政権を有せず、経済的主権も有していないので、いつでも一面的なネオリベと化す危険性が存在している。
毛沢東時代とは異なり、大陸の労働者階級が享受している社会福祉は目下、日本の社会福祉の水準にはまだ遠く及ばないのが全体としての概観と事実である。資本主義社会においては、特に団体交渉権の有無は巨大な影響力と結果としての差異をもたらしている。その有無は、労組を不能にするか否かだけでなく、実質形骸化してしまうからである。
団体交渉権は、中国香港、マカオ、大陸には全体として存在しない。労働三権は三位一体である。従って、真の意味での労組は存在しないと言ってもいい。これは、資本主義社会の現実には適合していない。むしろネオリベ社会と言うべきである。
香港の特色:独立主体性なき労組と同じく独立主体性なき人事部
ただ、独立性という点では、香港の人事部はその反対物である香港の労組同様に社会的に比例して独立性、主体性に想像以上に欠如しており、もっぱら各部門の管理職に奉仕する代行部門と化して主体性がないのが現実の実際である。
そして、実際のファシズム社会である各企業内部では企業内労組の有無に関係なく(関係なくとは、つまり企業内労組もあるが、産業別かつ外部労組のある香港や、企業内労組だけでなく産業別からも独立した外部労組もある日本の別なく共通という事)、労働者の団結の法的形態である労働組合と資本家の労務管理の代行部門である法務部、人事部或いは総務部という二つの大きな概念の矛盾がある。その根本は、労資、労使関係(資本家階級と労働者階級)という生産関係、社会関係、階級関係に他ならない。
どちらか一方からだけでなく、労働者(労組)と人事部の両方の側面から労働問題を研究すべし
そこで、ただ労働者と労組の観点から労働法の運用を含めて労働問題とその解決法を理解する試みは、弁証法的には必須でも、不十分である。なぜならば、往々にしてその反対面からの理解が欠如しているからである。労働者という階級的立場は同じでも、矛盾の両者の側を理解する事、学習する事、習得する事はできるし、それこそが正に資本主義社会において、全面的な理解をするということになる。
これまで、日本に限らず、香港でも労働問題の研究と人事部の方法論は、各自一面的にそれぞれの側面から隔離分離して労働問題の研究をしてきただけである。大事なのは、その両者を弁証法的な全体として両方の面を理解しかつ、両方の側面から労働問題の全面的な理解と解決の方法にアプローチするべきである。もちろん、労働者階級の立場から、労働者階級のためにである。これが、私が2017年以来のこの二年間の国際主義的研究で到達した見地である。そして、この方向はこの問題の領域分野で、未来においてさらに実践と理論で深化させることになる。
いつまでも、香港における労務管理は、現地の日本人労働者の皆さまを安易に代価なく蹂躙する事はできない。
本論考では、中国語圏においても共通の基本的な人事部の概念を以下に質疑応答形式で列挙していく。中国政府の人事、労務、総務に関する国家試験でも要求される諸概念を把握する事は、中国語圏で現地の人事部及び総務部、つまりアドミンの側を労働者の労働問題解決の為に理解する事である。
なぜ資本家の側からも労働問題を理解する必要があるのか?
資本主義社会の労働問題における資本家側とは、それを代表する人事部或いは総務部、そして法務部であり、労働者側とは独立した労働組合の事である。これら対立する双方の面を理解する事は、弁証法的に、全面的な、豊富な労働問題の仕組みに対する自覚を労働者各個人にもたらすのである。単に政治にしか興味がないという社会主義者は似非でしかない。実際に多く取り組むのは、具体的な労働問題に他ならないからだ。生きた実践とは、平時においては労働者階級の実際の、直近の諸問題に取り組む事を意味している。そうでなければ、現地の労働者階級の何の苦しみや悲しみが理解できるというのか?また、それらを理解していない政治屋からは私的利益以外に何も生まれないのである。
資本主義的生産様式における商品やサービスを生み出す生産関係、労使関係とは、資本家側(経営陣、人事部、総務部、法務部、外部顧問、社労士、人材会社、弁護士)対 労働者側(労働者個人、独立した労働組合、労働側弁護士)である。労働者階級は、いかなる社会問題においても労働者階級の立場に立つべきである。それが何かの政治的な色彩の教条に依るのではなく、全ての論点と行動の原点、原則である。
Q1:会社の内部募集の方法であるのは何か?またそうでないのは何か?
A:労働力の内部市場というは、会社内での募集であり、推薦、公告、ファイルから人材を募る事ができるが、親しい人からの推薦という純粋に恣意的な手段は該当しないとされる。
Q2:最も人心を集める人事部の方法として、社内で社員に対する最も適切な方法は何か?
A: 他ならぬ、仕事のパフォーマンスの成績、効果に応じて区別して職員の待遇を図る事。
Q3:人材、労働力の必要性を考察する上での二つの重要な側面とは何か?
A: 大きく分けて、人員の能力、素質、技能分析、そして仕事のパフォーマンス。
Q4:いわゆる事業部制、つまり分権体制の依拠する原則は何か?
A: 集権制、分散経営。
Q5:仕事を指導する方法で適切なのは何か?
A: 実習法、つまり実習の方法に他ならない。
Q6:人員を配置する上でよく使われている方法は何か?
A: ハンガリアン・メソッド(Hungarian method)。
Q7:職務分析における二つの任務とは何か?
A: ひとつは、職位の描写、説明であり、もうひとつは職位に関する要求である。これが、求人広告に反映されるのである。
Q8:ヒューマンリソースの行う人事計画とは何か?
A:人的資源供給の分析と人的資源の需要の予測分析である。
Q9:人的資源の需要の予測方法としての意思決定支援システム(Decision Support Systems)は何か?
A:デルフィ・メソッド(Delphi Method)。
Q10:職位を設置する基本原則は何か?
A:その職務、仕事に基づいて職位を設置する事である。
Q11:採用は、どういう原則に基づいて行い、一人の優秀な人材のみを選抜するのか?
A:人を標準にして職位の配置を行うのが原則。
Q12:パフォーマンス・コンサルティング、効果測定の重要性は、雇用主にとって何を意味するか?(彼らは、それを職員にとってと言うが明らかに雇用主にとってというのが正確である)
A:ひとつの成長発展進歩の機会を提供する為。
Q13:職務内容説明は、職位の説明以外に何に分かれるか?
A:さらに、部門説明と会社説明の合計三つの仕事内容説明からなる。
Q14:講座、講義はどういう訓練、トレーニング方法の類型に該当すると考えられるか?
A:直接伝授型のトレーニング方法。
Q15:シニアの職員を雇用する時、企業が大体採用するのはどういう外部採用の方法か?
A:人材エージェント。
Q16:企業の人材採用で基本的によく採用する方法は何か?
A:筆記試験、面接、シミュレーション、心理テスト。
Q17:トレーニングや奨励制度の内容にとって重要なのは何か?
A:公平、公正で客観的なパフォーマンス評定の基準。
Q18:パフォーマンス管理の四つの契機は何か?
A:まずは、目標設定、過程の指導、パフォーマンスの評価、激励と発展。
Q19:企業の賃金の総計を計算するときに含めないのは何か?
A:原稿料や講演費の類。
Q20:企業の外部環境とは何を指すか?
A:政治、法律、経済、科学技術、社会文化など。
Q21:職位の名称の分析は何を包括するか?
A:職種、職務、職名、等級である。
Q22:職場の仕事をより豊富なものにする上で主に考慮するべきは何か?
A:多様性、任務の全体性、任務の意義、自主権、そしてフィードバック。
Q23:ヒューマンリソースの計画、企画はどの様に内容において区分されるか?
A:戦略発展計画、組織人事計画、制度建設計画、人材開発計画。人事部とは、大きくこの4つの柱・仕事に区分される。
Q24:企業外部の労働力供給に影響する主因は何か?
A:人口政策、人口の現状、労働力市場の発達度、社会の就業意識及び職業選択の心理偏向。
Q25:企業の組織管理の中で、各制度の設計形成において、基本的な要求は何か?
A:現実的、法律、道徳という基礎、合理的で、情にも適う、先進的、システムとオプションなどの要求。
Q26:ヒューマンリソースの管理費用は何を包括するか?
A:賃金、社会保険及び関連の費用、その他。
Q27:求人戦略には何の要素があるか?
A:計画、人材、場所、時間などの戦略要素がある。
Q28:面接時によく犯しやすい間違いは何か?
A:効果の対比、目的不明、合格者の有するべき条件が不明瞭、面接の全体の構成がなっていない、偏見が面接に影響するなど。
Q29:パフォーマンス測定、効果測定の種類は何があるか?
A:上級、同級、下級、自己、外部による測定がある。
Q30:パフォーマンス測定、効果測定の主内容は何か?
A:管理制度、管理体系、測定基準、指標、及び標準的な体系、被測定者のプロセス、企業組織など。
Q31:効果的な報酬管理が遵守すべき原則は何か?
A:対外的には競争力があり、体内的には公正性があり、職員に対して奨励、激励の効果がある。
Q32:職位の評価の方法にはどういう主なものがあるか?
A:排列、分類、要素の比較、スコア。
Q33:給与市場調査の通常用いる方法は何か?
A:企業間の相互調査、委託調査、公開調査の情報、調査アンケート。
Q34:伝統的な給与体系にはどの様な類型があるか?
A:パフォーマンス、仕事、部下への関心及びこれらの総合的な給与体系。
Q35:給与制度設計の要点は何か?
A:給与水準及び給与構成の設計、給与等級、固定給与、変動給与、過渡的方式の設計。
Q36:職員が挫折を味わった時、どの様にコミュニケーションをとるべきか?
A:勧告、慰め、激励、方向転換。
Q37:企業文化が包括する類型は何か?
A:官僚型、発展型、家族型。
Q38:労働組織の合理化とは主に何を指すか?
A:異なる工程、工種の段階を合理的に組織する事、準備的仕事と実行の仕事とを合理的に組織する事、作業班を合理的に組織する事、労働時間を合理的に組織する事。
Q39:企業文化の主要な機能は何か?
A:激励、自己統制、内的結束、コミュニケーション、指導などの機能。
現在多くの企業がキャンパスでの募集採用活動を主要な拠点として行い、新卒生を募集する為の企画を立てる場合、何が骨子になるのか?どう募集採用活動を計画実行するのか?
1、キャンパスでの募集採用活動が企業にもたらす良い点は何か?
A. キャンパスでの募集採用活動は、企業の外部人員募集の具体的な形式の一つである。それと対をなす、企業内部の人員選抜と比較すると、キャンパスでの募集活動は、新思考、新方式をもたらす事ができ、一流の人材を採用するのに有利であるし、企業イメージを樹立する上でも優れて適している。同時に、この募集方式は特殊で、それは学生は可塑性が強く、選択の余地が大きく、候補者の専門が多様性に富んでいるから。さらに、企業の多方面の需要を満たす事ができると中国語圏でも考えられている。しかも、募集採用のコストが安く、採用活動を通じて青年の間に自己の企業イメージを樹立したり、斬新なサービスや製品の開発に繋がったりするものとみなされている。
2、もしある会計事務所が某大学のキャンパスで募集採用活動をする場合、募集するのは会計士と総務部(admin.)職員として、どの様に一般的な計画を立案し、その理由や注意点を説明するのか?
募集計画:
人員募集とは、企業が発展の為に、人的資源の計画や分析の要求に基づいて、能力があるだけでなく、当該企業に興味があり就業したい者を招き、その中から最も適した人材を採用する過程である。
a.まずは募集目標・対象が何か?(この場合は、会計職員と総務部職員が該当する)
b.募集採用の前提:まずは、人的資源の計画がある事、そしてその職務描写及び職務説明書があり、それらが採用に関して主要な依拠になる。同時に、応募者への当該職務の詳細な情報にもなる。
c.募集過程:
人員募集は、複雑な過程であり、主に募集、選択、採用、評価の4つの契機がある。その中で募集は、応募資格のある者の来源、応募資格のある者を魅了する方法を理解し、募集情報の発布、申請を受理などの内容を指す。選択とは、ヒトと仕事の両側面から出発し、最も適した人材を選択する過程の事である。選択は主に、資格審査、一次試験の筆記試験、面接、シミュレーション、心理テストなどからなる。採用とは、選択した結果に基づいて、採用を確定し、人員を配置する事である。評価とは、募集採用活動全体の効果及び採用した人員への評定を行う事である。
d. 募集準備:
まずは、当該職務の企業所在地の分析を行う。そして、次に応募申請表の設計作成を行う。
応募申請表は以下の骨子からなる。
(この中には、香港や日本を問わず応募者側にとって義務がない必要以上の要求があるので応募者は要注意)
d-1 個人情報:年齢、性別、住所、連絡先、電話、婚姻状況、身体状況。
d-2 求職情報:応募する職務、求職に関する要望(収入、待遇、時間、住居)
d-3 職務経歴及び経験:以前の勤務先、職務、時間、賃金、離職、離職原因、証明等。
d-4 教育及びトレーニング状況:学歴、獲得した学位、受けたトレーニング。
d-5 生活及び家族状況:家庭成員氏名、関係、趣味、個性及び態度。
d-6 その他:受賞状況、能力証明(言語、コンピューター能力)、未来の目標。
e.募集過程:
これには、先ず募集チャンネルの選択という環がある。その流れは、企業自体の募集に関する要求を分析し、募集するところの人員の特徴を分析し、適切な募集チャンネルを選択する。そして、さらに適切な募集方法を選択する。
この段階を経たら、続いて、面接会の主要な過程に入る。
企業として面接会に参加・開催する場合の主要な順序は以下である。
e-1:面接会のブースを準備する。
e-2:資料や設備の準備をする。
e-3:人員募集の準備をする。
e-4:関連する機関と連携する。
e-5:面接会の宣伝をする。
e-6:面接会後の仕事をする。
f. 採用の主な方法
f-1:略歴からの振い落し。
f-2:応募申請表からの振い落し。
f-3:筆記試験。
以上書類審査と筆記試験がそのまま初歩的な篩い分けの方法になっている。履歴書、職務経歴書、応募申請表以前に、そもそもネット応募で、プロフィールと言われる略歴で振い落している方法やフィルターがそもそもアプリオリにある場合がある。
g. 面接の実施
g-1:面接の基本ステップ。
g-2:面接の構成と準備。
g-3:面接での質問法。
h. 採用
i.募集活動の評価
以上が、人員募集から採用までの全過程と契機である。
ハンガリアン・メソッド(Hungarian method)による人員配置の計算方法
一見すると難解な解析法は、テーブルでは一目瞭然であり、要は各仕事に対して、最も労働時間が少なくて済む人員を最優先で配置するという事に他ならない。
ここでは、ある工場である仕事を完了するのに最も適した人員を配置する例を挙げる。

列は、割り当てるべきジョブ、仕事を表し、各人員はコラムに表されている。これは、一目瞭然で、要はジョブAの列で最も少ない時間の者であるスタッフBを当てるという事だ。ジョブBなら、スタッフDを当て、ジョブCならスタッフCを当て、ジョブDでは、最適のスタッフAを当てるという事で難解な計算は実は不要である。
むしろ計算をする方がより難解で遠回りなのであるが、まずは、列の最小化を行うと以下になる。

この最小化は、ジョブAに関しては、最小時間の5を基準にして、自身と他の10、9、8から5を引いた結果である。ジョブBに関しては、最小時間の2を基準にして、自身と他の13、19、6から2を引いた結果である。ジョブCに関しては、最小時間の3を基準にして、自身と他の8、4、7から3を引いた結果である。ジョブDに関しては、最小時間の2を基準にして、自身と他の9、12、5から2を引いた結果である。
続いて、コラムの最小化を行う。

この最小化は、0のないコラムであるジョブCに関して、最小時間の1を基準にして、自身と他の4、4、10から1を引いた結果である。
この過程の中で、全体としては、常に総数の70労働時間を維持している事にも留意がいる。

この最小化は、ジョブAに関しては、最小時間の3を基準にして、5に足した結果である。ジョブBに関しては、最小時間の3を基準にして、11に足した結果である。ジョブCに関しては、最小時間の3を基準にして、0に3を足した結果である。ジョブDに関しては、最小時間の3を基準にして、自身と7、9から3を引いた結果である。
0が最適な目標値になる。全体の総労働時間70時間は維持されている。

この0が落ち着くところが最小の労働時間になる。

要は、スタッフAから順に最小の労働時間の職を割り当てていくだけである。恣意的な解析法を経ないで、表を見て判断する方が自然で理解しやすい。
企業の賃金水準に影響する主要な要因には何があるか?
二大要因があり、一つは、労働者個人の賃金水準に関する要因、もう一つは企業全体の賃金水準に関する要因。
1、労働者個人の賃金水準に関する要因には、労働パフォーマンス(労働者個人の仕事表)、職務及び職位上履行するべき責任や権力、総合的な素質や技能(職務上必要な素質、職業道徳、品格、品徳、人格、心理素養、能力、知識水準、表現能力、適応能力、協調力、決断力)、労働条件(仕事の性質と労働環境の関係、所用労働が一般より多い)、年齢及び勤務年齢(勤務年齢や経験が増すにつれて、労働者は額外の昇給を得る事ができる)。
2、企業全体の賃金水準に関する要因には、生活費用や物価水準の変動との連動(これが連動しないと貧富の格差になる)、企業の賃金支払い能力、地域や産業別の賃金水準、労働力市場の供給状況により、需要が大きい労働力ほど賃金は高くなるし、その反対もありうる。製品やサービスの需要のダイナミック(つまり需要が利潤へ影響し、利潤の多寡が賃金支払いへ影響する)、労働組合の影響力、企業の賃金政策(企業側が企業の利潤をどれだけ労働者と配分するか)。
人事部によるトレーニング失敗の分析
具体例:
某精密機械会社の新任人事部長が、ある講座でなかなか良いと思われるトレーニングの経験をし、その後会社へ全社員のトレーニング企画書を提出した。それは、まるまる1週間コンピューター訓練を全員に他の職務そっちのけで全面的に受けさせる内容だった。当該企業はその企画案を批准し、十数万元のトレーニング予算がついた。しかし、その1週間の訓練の後、皆がクレームを出す事になった。オフィス勤務の何人かの事務員や45歳以上の何人かの中間管理職以外は何も収穫はなかったという。大多数の者が、十数万元のトレーニング費用は、一時的なセンセーショナルな効果があっただけで、自らの社内的な政治の為に管理側が利用したに過ぎない代物だと考えた。新しい知識であるコンピューター技能は、競争下で有用なはずなのに何故か?
分析:
失敗の主要な原因は、官僚主義的に実際の需要、状況の分析も認識もなく、頭ごなしに経験主義的に決定を行った事がそもそもの間違い。企業トレーニングは、職員の士気激励と長期的な計画の為の投資なので、単独の短期的な項目だけでそもそも曖昧で抽象的な目標は達成できない。また、この場合、当該人事部長はまた既存の当該企業のトレーニングの制度や慣行に則っていない。最後に、この事例では失敗の後に何も具体的な分析もしていない点が致命的で、救いがないものにしている。