香港労働法 Hong Kong Labor Issues #41 日本人のための香港労働問題研究:香港人事部の基本概念 Q&A Basic Concepts of HR Department

Updated: Jan 28


#香港労働法 #日本人 #HongKong #LaborIssues


労働組合と労務管理部門人事部・総務部の両方の観点を知るべき


労働者達が、労資関係において各企業において面するのは、各部門の管理職と法務部、人事部(HR)・総務部(アドミン)という事になる。資本家と一体化して、この労資関係を労務管理という人事部の、企業側の管理カテゴリーで処理するのが、全体の部門としては人事部或いは総務部ということになる。これは、日本も香港も同じである。


そして、現実問題として労働問題を労務の観点から労働者以上に関心を持っているのが、各部門の管理職と法務部、人事部、総務部という事になる。さらに、日本も香港も同様に学校で、一切労働問題に関して、労働法に関して、各専門分野と一緒に教育がされることはないという資本主義社会に普遍的な愚民政策が現実である。


労働者は、資本主義社会において、自身の権利について無知無関心であればあるほどより搾取されるというのが道理である。従って、自己努力として社会の労働問題、労働法制を理解すること、関心を持つ事は社会人として必須である。ブラック企業が横行する社会である日本も香港も同様に、この自覚的な努力が必要である。


人事部自体のアウトソーシングが香港では存在しているし、日本でも外部法律顧問を雇っていたり、外部の社労士団体に法的手続きを委託していたり、外部委託をしながら、またそれらに依存しながら労務管理を行う人事部、総務部が存在する。


中国の社会は、香港も、マカオも、大陸も、台湾も、基本的に資本主義社会である。大陸の人事部は、社会主義的な語彙で資本主義の人事部の理論を取り繕うのはマルクス主義的には極めてグロテスクであり、空虚であり、無理がある。資本主義の理論であることを素直に認めて、そもそも人事部、総務部の方法論や資本主義社会の労働法は、労働者階級の階級意志ではなく、支配階級である資本家階級の階級意志と、その同意内容の表現である事を率直に認めるべきである。これが、基本中の基本の理解となる。この方がマルクス主義的である。事物をその本来の名で呼ぶ事をレーニンも、トロツキーも再三説いていた。


そして、抽象ではなく、行動において、どこまで労働者階級の意思を反映し、その階級利益を実現するかにこそ社会主義的傾向、精神と価値は存在する。それこそが、共産党が管理する資本主義社会の理想と現実の矛盾であり、労働者階級はソ連の様に実際には政権を有せず、経済的主権も有していないので、いつでも一面的なネオリベと化す危険性が存在している。


毛沢東時代とは異なり、大陸の労働者階級が享受している社会福祉は目下、日本の社会福祉の水準にはまだ遠く及ばないのが全体としての概観と事実である。資本主義社会においては、特に団体交渉権の有無は巨大な影響力と結果としての差異をもたらしている。その有無は、労組を不能にするか否かだけでなく、実質形骸化してしまうからである。


団体交渉権は、中国香港、マカオ、大陸には全体として存在しない。労働三権は三位一体である。従って、真の意味での労組は存在しないと言ってもいい。これは、資本主義社会の現実には適合していない。むしろネオリベ社会と言うべきである。


香港の特色:独立主体性なき労組と同じく独立主体性なき人事部


ただ、独立性という点では、香港の人事部はその反対物である香港の労組同様に社会的に比例して独立性、主体性に想像以上に欠如しており、もっぱら各部門の管理職に奉仕する代行部門と化して主体性がないのが現実の実際である。


そして、実際のファシズム社会である各企業内部では企業内労組の有無に関係なく(関係なくとは、つまり企業内労組もあるが、産業別かつ外部労組のある香港や、企業内労組だけでなく産業別からも独立した外部労組もある日本の別なく共通という事)、労働者の団結の法的形態である労働組合資本家の労務管理の代行部門である法務部、人事部或いは総務部という二つの大きな概念の矛盾がある。その根本は、労資、労使関係(資本家階級と労働者階級)という生産関係、社会関係、階級関係に他ならない。


どちらか一方からだけでなく、労働者(労組)と人事部の両方の側面から労働問題を研究すべし


そこで、ただ労働者と労組の観点から労働法の運用を含めて労働問題とその解決法を理解する試みは、弁証法的には必須でも、不十分である。なぜならば、往々にしてその反対面からの理解が欠如しているからである。労働者という階級的立場は同じでも、矛盾の両者の側を理解する事、学習する事、習得する事はできるし、それこそが正に資本主義社会において、全面的な理解をするということになる。


これまで、日本に限らず、香港でも労働問題の研究と人事部の方法論は、各自一面的にそれぞれの側面から隔離分離して労働問題の研究をしてきただけである。大事なのは、その両者を弁証法的な全体として両方の面を理解しかつ、両方の側面から労働問題の全面的な理解と解決の方法にアプローチするべきである。もちろん、労働者階級の立場から、労働者階級のためにである。これが、私が2017年以来のこの二年間の国際主義的研究で到達した見地である。そして、この方向はこの問題の領域分野で、未来においてさらに実践と理論で深化させることになる。


いつまでも、香港における労務管理は、現地の日本人労働者の皆さまを安易に代価なく蹂躙する事はできない。


本論考では、中国語圏においても共通の基本的な人事部の概念を以下に質疑応答形式で列挙していく。中国政府の人事、労務、総務に関する国家試験でも要求される諸概念を把握する事は、中国語圏で現地の人事部及び総務部、つまりアドミンの側を労働者の労働問題解決の為に理解する事である。


なぜ資本家の側からも労働問題を理解する必要があるのか?


資本主義社会の労働問題における資本家側とは、それを代表する人事部或いは総務部、そして法務