香港労働法 Hong Kong Labor Issues #56 日本人のための香港労働問題研究:雇用条例 (Employment Ordinance):日本語版 第4A部

Updated: Sep 25, 2021


FILE PHOTO: A street performer with a guitar. ©WiX
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最新の香港の労働情勢


総人口:739万4700人

人口増減:8万9200人減少 (移住など) -1.2% (2019-20) 

総労働人口:385万3100人 

失業率:5.5% (1)(2)(3)


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公共醫療醫生協會執委馬仲儀(Dr MA Chung-yee, Arisina)指,近2年因疫情影響,醫生流失情況變慢,但今年經濟好轉後,多了專科醫生轉投私人巿場或移民,以麻醉科、腦外科、心胸外科、放射科等情況較明顯,「本身都不夠醫生,以前十個煲九個蓋,現在十個煲八個蓋。」馬續指,因相關專科醫生是「全世界都唔夠」,相信即使引入海外醫生,仍無法彌補流失資深人手。(4)

提到醫院管理局在去年7月至今年6月底,全職醫生包括實習醫生及牙醫的流失率為4.6%,全職護士的流失率則為6.5%,較去年同期上升0.9%。凌霄志對此表示,醫護流失當中不少涉及移民,情況令人憂心。他認為過往甚少醫生移民,未來趨勢料仍需視乎社會氣氛。(5)

政策上の変化:


現在、反対派の労働組合や労働組織への取り締まりが激化していて、反対派の労働組織が立法会の反対派議員の様に社会的に粛清される可能性が高まっているが、これは本主題及び社会福祉の増進、労働者階級の生活状態の改善とは別次元の事の性質であるので論究しない。


(語彙に関して言えば、香港の民主派、反対派は日本の国内感覚の野党ではない。日本のマスコミ報道からは全く判別できない有様だが、実際は香港には与野党による政党政治や政党による政権交代はないし、厳密には政党法自体がないために政党でもなく、法律上の社団法人や有限会社である)


上記人口減、人口流出は、単に政治的な理由による移民や難民を除けば、元々慢性的に約4.6%の医師の流失を前回の2016年人口調査時に記録している領域、公的医療サービスへの悪影響が懸念される。それでなくても、コロナ禍以前から深刻な人手不足(特に熟練の)で、患者が日本以上に長時間待機しなくてはならない香港の公的医療機関。それに従事する医師達の移住・私営医療機関への流出のケースが中でも憂慮されている。


(語彙に関してついでに言えば、印象操作に用いられる曖昧模糊とした民間や民営、経営者、事業家、実業家、商人、ビジネスマン、事業者、雇用者、使用者、事業主、雇用主よりも、私有や私営や資本家という用語が最も経済的な資本主義の現実 – 学校教育時における学生達の組織に対する無邪気な観念や自然な本来の感覚とは異なり、実際は会社という組織自体も売買される個人の所有物 – を適切に反映している)


しかし、香港地区以外から(香港政府の言う''海外''の実際の意味は、大陸を主として念頭に置いている)の医療関係の労働力を輸入する単線思考以外に、なんら人口減への有効策は打ち出されていないし、それすらも実行されていない。


また、目下の香港の労働環境は、2020年以来の労働政策と制度の単純な延長であり、2021年度の労働法制自体の変更修正は未だ皆無である。


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Latest amendments to Labour Laws

 

香港雇用条例 日本語注釈版


【原文】


Part IVA

Protection Against Anti-union Discrimination

(Part IVA added 51 of 1974 s. 3. Format changes—E.R. 3 of 2017)


21A.

Application of Part IVA

Section 21C shall apply to every person to whom an offer of employment is made or is about to be made or who otherwise is a prospective employee.

(Replaced 41 of 1990 s. 7)


【原文】


第IVA部

職工會不受歧視的保障

(第IVA部由1974年第51號第3條增補。格式變更——2017年第3號編輯修訂紀錄)


21A.

第IVA部的適用範圍

第21C條適用於所有獲得或行將獲得僱主提出僱傭要約,或以其他方式成為準僱員的人。

(由1990年第41號第7條代替)


【日本語】


パートIVA 差別からの労働組合の保護 (パートIVAは、1974年の第51号の第3条によって増補された。フォーマットの変更——2017年の編集改訂記録第3号) 21A パートIVAの適用範囲 第21C条は、雇用主の雇用の申し出を取得した、または取得しようとしている、またはその他の方法で将来の従業員になるすべての者に適用される。 (1990年第41号第7条により置き換え)


注釈:


香港で活動している日系労務コンサルタント達は、安易に香港の労働法制を雇用条例に限定し、しかも労働基準法と説明しているが、雇用条例は労働基準法ではないし、香港の労働法制の全てを構成する労働条例は雇用条例だけではない。ここでは、トレードユニオン条例(職工組合条例)が関連する。


さらに、要注意はトレードユニオンは労働組合だけではなく、類別あるいは多産業の資本家達による連合であるロビー団体、商工会議所(香港は市場の種々の独占形態が情報通信以外は行政面で開放されているので、多産業に跨る資本家連合が主流)や、資本家と労働者の両者の加盟する利益・圧力団体も包括される。

【原文】


21B.

Rights of employees in respect of trade union membership and activities


(1)

Every employee shall as between himself and his employer have the following rights—

(a)

the right to be or to become a member or an officer of a trade union registered under the Trade Unions Ordinance (Cap. 332);

(b)

where he is a member or an officer of any such trade union, the right, at any appropriate time, to take part in the activities of the trade union;

(c)

the right to associate with other persons for the purpose of forming or applying for the registration of a trade union in accordance with the provisions of the Trade Unions Ordinance (Cap. 332);

(Amended 101 of 1997 s. 26)

(d)

(Repealed 135 of 1997 s. 14)

(2)

Any employer, or any person acting on behalf of an employer, who—

(a)

prevents or deters, or does any act calculated to prevent or deter, an employee from exercising any of the rights conferred on him by subsection (1); or

(b)

terminates the contract of employment of, penalizes, or otherwise discriminates against, an employee by reason of his exercising any such right,

shall be guilty of an offence and shall be liable on conviction to a fine at level 6.

(Amended 24 of 1988 s. 2; 103 of 1995 s. 5)

(3)


In this section—

appropriate time (適當時間) means, in relation to an employee taking part in any activities of a trade union, time which either—

(a)

is outside his working hours; or

(b)

is a time within his working hours at which, in accordance with arrangements agreed with or consent given by or on behalf of his employer, it is permissible for him to take part in those activities;

working hours (工作時間) means, in relation to an employee, any time when, in accordance with his contract with his employer, he is required to be at work.

[cf. 1971 c. 72 s. 5(1), (2) & (5) U.K.]



【原文】


21B.

僱員參加職工會及其活動的權利


(1)

任何僱員,在其本人與僱主之間,享有以下權利 ——

(a)

作為或成為根據《職工會條例》(第332章)登記的職工會會員或職員的權利;

(b)

凡為職工會會員或職員,享有在適當時間參加該職工會活動的權利;

(c)

聯同他人按照《職工會條例》(第332章)的條文,組織職工會或申請將職工會登記的權利;

(由1997年第101號第26條修訂)

(d)

(由1997年第135號第14條廢除)

(2)

任何僱主,或任何代表僱主的人,如 ——

(a)

阻止或阻嚇,或作出任何作為以刻意阻止或阻嚇僱員行使第(1)款所授予的任何權利;或

(b)

因僱員行使任何該等權利而終止其僱傭合約、懲罰或以其他方式歧視該僱員,

即屬犯罪,一經定罪,可處第6級罰款。

(由1988年第24號第2條修訂;由1995年第103號第5條修訂)

(3)

在本條中 ——

工作時間 (working hours),就僱員而言,指其按照與僱主訂立的合約所須工作的任何時間;

適當時間 (appropriate time),就僱員參加職工會任何活動而言,指 ——

(a)

其工作時間以外的時間;或

(b)

其工作時間以內的時間,而按照與其僱主或任何代表其僱主的人所議定的安排,或得到其僱主或任何代表其僱主的人給予的同意,容許在該時間內參加該等活動。


[比照 1971 c. 72 s. 5(1)、(2) & (5) U.K.]


【日本語】


21B トレードユニオンとその活動に参加する従業員の権利 (1) 全ての従業員は自らと雇用主との関係において、次の権利を享受する。 (a) トレードユニオン条例(第332章)に基づいて登録されたトレードユニオンの会員または職員になる権利。 (b) トレードユニオンの会員または職員である者は誰でも、適切な時間トレードユニオンの活動に参加する権利を有する。 (c) トレードユニオン条例(第332章)の規定に従って、トレードユニオンを共同で組織する権利、またはトレードユニオンの登録を申請する権利。 (1997年第101号第26条を修正) (d) (1997年第135号第14条を廃止) (2) 雇用主、または雇用主を代表する人物が、 (a) 従業員がサブセクション(1)によって付与された権利を行使することを防止または抑止する、あるいは意図的に防止または抑止する行為を行う、または

(b) これらの権利の行使を理由に、雇用契約を終了し、従業員を罰するか、その他の方法で差別する場合、これは即時犯罪であり、有罪判決を受けた場合、レベル6の罰金が科せられる。 (1988年第24号第2条; 1995年第103号第5条を修正) (3) このセクションで - 労働時間とは、従業員の場合、雇用主との契約に従って労働する時間を指す。 従業員がトレードユニオンの活動に参加する限り、適切な時間とは、次のことを意味する。 (a) 勤務時間外;または (b) 労働時間内で、雇用主または雇用主を代表する者と合意した取り決めに従って、または雇用主または雇用主を代表する者の同意を得て、その時間中にそのような活動に参加することが許可される場合。 [1971年第72章第5(1)、(2)&(5)条、英国]


注釈:


条例間で甚だしく矛盾した規定に気づく。勤務時間外、もしくは資本家或いは資本家を代表する者の同意か合意を得ている時間と言うのは、香港の労働者階級の数少ない人権である団体行動権の行使手段である、ストライキの権利と効果を著しく蝕む規定である。もちろん、資本の側はこの点を突いてくる。


その手口とは、労働組合が未登録はそれ自体致命的だが、労働組合の存在を認定せず、あくまで個人が業務命令違反したという理由で懲罰行為に出る方法である。そもそも、団体行動権を尊重する資本家など常識的に存在しない。不合理な規定である。企業内におけるストライキの申請制?実は、この雇用主の許可・同意云々の条項では商工会議所や雇用主と労働者の混合した利益・圧力団体での時間内活動を意識しているのである。従って、ここでは日本語の通例である労働組合と安易に訳すのではなく、精確にはトレードユニオンと訳すべきである。致命的な落とし穴がここにあるのに留意するべきである。


【原文】


21C.

Offer of employment conditional on offeree not being member of trade union


Any person who, acting on his own or another’s behalf, in the engagement of persons for employment includes in an offer of employment to any person a condition or requirement that the person to whom the offer is made shall undertake—

(a)

if he is a member or officer of such a trade union, that he will relinquish his membership thereof or office therein;

(b)

not to become a member of, or officer in, such a trade union; or

(c)

not to associate with other persons for the purpose of forming or applying for the registration of a trade union in accordance with the provisions of the Trade Unions Ordinance (Cap. 332),

shall be guilty of an offence and shall be liable on conviction to a fine at level 6.

(Amended 24 of 1988 s. 2; 103 of 1995 s. 6)


21D.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)

21E.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)

21F.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)

21G.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)

21H.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)

21I.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)

21J.

(Repealed 135 of 1997 s. 3)


【原文】


21C.

以受要約人並非職工會會員作為僱傭要約的條件


任何人,不論其本人或代表他人聘用僱員時,在僱傭要約中包括以下條件或規定 ——

(a)

如受要約人是職工會會員或職員,他須承諾放棄其會籍或職位;

(b)

受要約人須承諾不成為職工會會員或職員;或

(c)

受要約人須承諾不聯同他人按照《職工會條例》(第332章)的條文組織職工會或申請將職工會登記,

即屬犯罪,一經定罪,可處第6級罰款。

(由1988年第24號第2條修訂;由1995年第103號第6條修訂)


21D.

(由1997年第135號第3條廢除)

21E.

(由1997年第135號第3條廢除)

21F.

(由1997年第135號第3條廢除)

21G.

(由1997年第135號第3條廢除)

21H.

(由1997年第135號第3條廢除)

21I.

(由1997年第135號第3條廢除)

21J.

(由1997年第135號第3條廢除)


【日本語】


21C 求人者が、雇用の申し出の条件として労働組合の会員ではないことを要求される場合 雇用主に代わって当該従業員を雇用するかどうかにかかわらず、求人者に対し、雇用の申し出に次の条件または要件を含む場合:

(a) 雇用される者が労働組合の会員または職員である場合、自らの会員身分または職位を放棄することを約束させる。 (b) 雇用される者に、労働組合の会員または職員にならないことを約束させる。 (b) 雇用される者に、その者がトレードユニオン条例(第332章)の規定を行使し、他者と協力して労働組合を組織したり、労働組合の登録を申請したりしないことを約束させる。

これは即時犯罪であり、有罪判決を受けた場合、レベル6の罰金が科せられる。

(1988年第24号第2条; 1995年第103号第6条を修正) 21D (1997年第135号第3条を廃止) 21E (1997年第135号第3条を廃止) 21F (1997年第135号第3条を廃止) 21G (1997年第135号第3条を廃止) 21H (1997年第135号第3条を廃止) 21I (1997年第135号第3条を廃止) 21J (1997年第135号第3条を廃止)


注釈:


以上の労働組合差別、労働者階級の権利行使に対する差別行為は、それ自体雇用差別でもある。もちろん文字通り違法になる形態で実際は行われない。そこで、香港の人事部は労働組合関係者の雇用を事前に忌避する手口を広範に採用している。これ自体が労働組合差別であるのは言うまでもない。


また、香港では厳密には労働三権は全体としてはないので(団体交渉権がない)、厳密には真の労働組合は存在しない社会である。そこでは、香港における組合員、構成員とはあくまで職員の側を指し、日本の国内感覚の組合員とはここでは会員と呼称する。これは、いわゆる社員が厳密には被雇用者ではなく、経営陣を指すのと共通した企業組織の概念の実践であり、この点でも香港の労働組合は企業経営の労働クラブであり、参加する労働者は会員制のお客に過ぎない感覚なのが分かる。これは、本来の労働組合が社会的な機能や権利、闘志を喪失し、弱体化、企業化する果ての退廃現象である。この上に君臨するのがネオリベ労働官僚と労働貴族なのは言うまでもない。

NOTES


  1. https://www.censtatd.gov.hk, (Aug. 16, 2021) 'Labour Force, Employment and Unemployment'. Available at: https://www.censtatd.gov.hk/tc/scode200.html

  2. https://www.censtatd.gov.hk, (Aug. 16, 2021) 'Population Estimates'. Available at: https://www.censtatd.gov.hk/en/scode150.html

  3. https://www.censtatd.gov.hk, (Aug. 12, 2021) '二零二一年年中人口數字'. Available at: https://www.censtatd.gov.hk/tc/press_release_detail.html?id=4888

  4. 脫芷晴, https://skypost.ulifestyle.com.hk, (Aug. 16, 2021) '醫生移民|醫生工會:人手流失未到慌張程度 惟專科短缺較明顯'. Available at: https://skypost.ulifestyle.com.hk/article/3033710/醫生移民|醫生工會:人手流失未到慌張程度%20惟專科短缺較明顯

  5. https://hk.on.cc/hk, (Aug. 18, 2021) '本港醫護人才流失 業界形容公私營合作為雙面刃'. Available at: https://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20210818/bkn-20210818121835198-0818_00822_001.html


References


1.Cap. 57 Employment Ordinance, version of January 1, 2021. https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap57


2.第57章 《僱傭條例》version of January 1, 2021. https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap57!en-zh-Hant-HK


 

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