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香港労働法 Hong Kong Labor Issues #68 日本人のための香港労働問題研究:2022年香港労働環境の主要変動と資本の罠

Updated: Oct 18, 2022


FILE PHOTO: Image Source © Envato

IMPORTANT 【重要】労働ニュース及び労働政策上の変化或いは特色


ニュースでは、資本が報道されたくない内容以外は全て広報である。従って当てにならない天気予報を含め、鵜呑みにできるニュースなどは学校内の絵空ごとであり、現実社会たる労資関係とその社会的な運動の総体には存在しない。これは、世界で最も資本家側の搾取の自由が公認・放任されている純粋新自由主義社会である香港にも至極妥当する。しかも、労働関連ニュース自体が往々にして資本の罠そのものですらある。資本家とは、資本の運動そのものであり、それに帰依し純化する労働者(経営陣と一体化する管理職は典型)は、正に資本の運動の一部に自覚的になりきり、その労働過程、資本産出の運動の過程において、経済カテゴリーに没して(例えば、管理労働者に管理される側も、各個性と思考のある個人ではなく「労働力」という数値化される概念として扱われる)、他者への人間性と人格の尊厳をこうして必然的に喪失する。それは「愛情」や「厳しさ」や「勤労」や「模範」や「やり手」などの称号や各種奨励などの、企業・業界・官公庁内外の制度が様々な恣意的な様式で設計用意している幻想的な社会的虚飾で粉飾され、隠蔽される。これが資本主義社会の実相である。例えば、搾取の強化の典型的な二大手段である労働時間の際限のない過酷な延長や労働強化も、所謂制度的奨励によりその非人道性が粉飾され、見事に隠蔽されるのが常である。幻想を必要とするような労働条件、労働環境の為の幻想。これこそが、広報・宣伝の社会的な本質である。



資本の罠とは、本来労働者の生活のための「問題解決」として広範に喧伝されている政策、立法案、法改正などが、実は資本のための世論「問題解決」に巧妙にすり替わっている事をここでは指す。「悪魔は細部に潜んでいる」というのは政策面では正にこの事態を指している。正に、悪魔的な細部の為に、政策決定者たち以外では、人知れず全体が反対物に転化しているのである。つまり、労働者の救済であるはずのものが、新たな火種となる構図である。さらには、そうしたものとして、従来の根本的な問題点もが包含され、延長されることでもある。これは、ひとえには労顧会や立法会や官僚自体に、自身が資本家でもある労働貴族(所謂「労働側代表」、「労工界」))及びその成り上がりはいても、労働者階級が皆無であり、体制全体が総体として資本の手中にあるからである。


忘れてならないのは、この政策決定に参与する三者は普通選挙を経て選出されていない。2021年以降、香港には普通選挙は存在しない。香港返還後の、25年間一つ確定しているのは、普通選挙の有無は問題解決の必要決定条件ではないが、普通選挙の欠如は完全に問題解決に結びついていない事である。むしろ、コーポラティスト達の既得権益とそれが必然的に生み出している「問題」の解決を、ひたすら巧妙に詐欺的に延長する事にしかなっていない。ここでは、「経済モデルの変化」とは既得権層が新たなモデルを創出して既存のモデルをその「問題」と共に脱却することへの幻想である。


普通選挙(与野党政権交代制を含んだものをここでは指す)は、日本や台湾などの普通選挙を実施する社会が如実に示す様に、それ自体何も問題を自動的に解決しないとはいえ、香港のような極端な社会では、貧富の格差を政治的に反映する、この一方の側の社会的免責を享受する既得権の死守と、搾取される側の更なる政治的無力と経済的犠牲という、政治権力の極大化されたギャップをある程度緩和・縮小する可能性はある。そこまで、香港のコーポラティズム体制とその政治的生態は既得権(層)で極端に硬直しているからである。政治の操縦桿を握る「選ばれし者」は新旧全てみんなお友達・身内・縁者・関係者だから安心というのがコーポラティズムである。これはイタリアのムッソリーニに由来する香港のファシスト的政治形態である。香港の政治形態とはコーポラティズムである。みんな仲良し組が政治を牛耳るというのは、広報次第で見かけは民主を装うことができるが、その正反対である。なぜなら、その他大多数の市民は政治的権利をいつでも、俎の上の鯉のように剥奪されているから有無を言わせられないのである。彼らが料理したいようにいつでも料理されてしまう俎の上の鯉なのだ。これが、コーポラティズムである。


では、コーポラティズムは労使協調主義だというが、そこには落とし穴がある。コーポラティズム社会では、自分達自身は政府に入りたい労働貴族が労働者階級全体を人質にしていて、しかも勝手に「代表」している。実は、労働貴族たちは正にその他の「選ばれし者」同様、資本のお友達・身内・縁者・関係者である。例えば、香港最大の労働団体である工聯会はそれ自体その他の「政党」同様、社団法人・有限会社で、労働組合や労働組合連合登録ではないし、正式な政党でもない。しかも、その正体は不動産の管理会社である。つまり、香港政治とは官僚と会社のお友達グループが「俎の上の鯉」を一方的に調理する構図である。この上部構造からも反作用で社会問題が生まれる。


そこで、労働者に政治的権力を賦与する形での普通選挙、直接民主は社会問題の真の解決に必須である。なぜなら、凡そ社会問題とは資本の運動の産物だからであり、資本の運動と完全に無関係な社会問題は存在しない。資本主義社会で資本の運動と全く無関係なものは社会を構成していないからである。


この2022年度の労働環境の法的変動もこの似非「問題解決」そのものであるというのが結論である。香港のコーポラティズムは問題を解決しないし、していない。しかし、香港のコーポラティズムの解決は本題から逸脱するので、その経済的土台(土地と家屋という不動産問題)の論考で別個詳述されるべきである。


香港では、仮に労働問題自体を孤立的に全て解決したとしても、最大にして根源的な社会問題を構成している土地と家屋という不動産問題をまず解決しないと効果は全て打ち消されてしまうからである。


本論考では、労働法制における目下2022年の制度変更、労働問題・労働争議及び詐欺・金融問題について概括する。香港の新しい労働運動は、これらの要点を包括したものであり、特に詐欺・金融問題における社会的な協力体制の枠組みの拡大が警察、地域コミュニティと共に今積極的に謳われている。従来の古い雇用関係問題限定の現実に照応しない枠組みを捨て、労働組合も参与するべきであるのは自明の理である。なぜなら、大多数の詐欺、金融問題は労働者とその家庭を標的にしているからである。つまり、労働者は雇用関係に起因する労働問題・消費問題と同じく、資本の暴力的な搾取の形態である詐欺・金融問題にも社会的に板挟みにされているのである。ここでは言及しないが、衛生・防疫・環境問題も労働者の生活に決定的に影響している。しかし、最も人為的な作意によるのは労働問題、消費問題をベースとした詐欺・金融問題である。白黒は、詐欺・金融問題では労働問題よりも明白であり、尚且つより数値化されやすいし、処理方法は単純明快で、まずは基本的に警察への通報で済む。警察は、他の関連の政府部門へも連絡するので、とにかく詐欺、金融問題では警察を活用するのが普通である。


また、債務・債権の関係とそれに付随して資本により鼓吹される似非道徳観念が雇用・被雇用関係の様に、目眩しにされる傾向があるが、違法な消費貸借への返済は不要である。何度も強調するが、日本でも、香港でも闇金融は違法な消費貸借或いは行為における違法な消費貸借であり、債務者は被害者であり、返済不要である。


本質的には、不動産・物品の賃貸(代価を伴う有料の貸し借り)も貸借であり、厳密には一種の消費・使用行為である。そこで、金銭消費貸借という専門用語よりも金銭賃貸というのがより分かりやすい。ここでは、賃貸業、貸金業、銀行業も包括した貸借(たいしゃく)を用いる事にする。また、日本語の概念がそのまま香港の概念に一致しているわけでもないのも強調しておく。


では、労働者側は何をなすべきか?それは、労働問題でも、詐欺・金融問題でも勇気ある違法行為の摘発・検挙である。香港の消費貸借者の広告は、甚だ偽善的であり「仲介業者からは借金するな」と喧伝するが、その当の金融機関自体が、借金返済の取り立てを一時停止する為の更なる借金を勧めているのがポイントである。これは、救済などではなく、更なる底抜けの地獄への招待状である。つまり、返済されたら連中の下賎な「商売」にならないのであり、そうした金融機関は既に広告において正体を露骨に暴露している。


これでは、闇金と大手登録機関との質的差異はない。つまり、労働者側を借金漬けにして、主には他社からの借金プラス高利息で際限なく借金地獄に落とし込んで搾取する構図だからである。そこで、取り立てを専門に行う第三者の業者(本質的には賭博や人身売買や高利貸しを行うマフィア・ヤクザ・三合会であり、元警察官を雇っているケースは古くから知られる)への委託を大手金融機関も行う。この暴力行為自体が、この標的を借金漬けにする構図を支える主要な組織力である。そして、この取り立てはそれが自宅への押しかけか呼び出しかは問わず、十中八九往々にして違法行為なので、警察に通報を必ず行うべきである。多くのケースでは、裁判を脅し文句にするのはもはや知られているが、むしろ裁判をやって正体が暴露されて困るのは、そうした違法な消費貸借を営む連中の方なのである。そこで、被害者たちの弱みを握り、通報も、法律相談も、裁判もさせない方へもっていくのである。例えば、香港でも被害者たちの裸を撮影したりして、公開するぞと脅す場合も違法な誘拐、禁錮、強要、恫喝、脅迫などの多くの人権侵害を伴うので、そのまま警察通報のケースである。また、ミスリード、詐欺や脅迫、強要によるあらゆる同意・契約は無効である。実は、こうした当たり前の道理が、彼らがくだらないビデオやドラマ、映画、漫画、C Mなどで強烈に社会的に創出している圧倒的な「怖い」イメージやインパクト、主に暴力で本来の社会人の視界や選択肢から押し出されているだけである。ここでは、破産や倒産といった選択肢や非合法手段は除外して論考する。


ポイントは、こうした違法行為自体が、労働者側の闘う正当な理由であり、被害者である証明であり、さらにはそうした暴力機関、金融機関へ抗う武器・証拠にそのまま転化する。洗脳されている固定観念は労働者に不利にしか働かない。そこで従来の泣き寝入りとは正反対の大胆な発想の転換が必要である。問題は、如何に早くこの邪悪な連中の違法性、違法行為を自覚するかである。違法行為をする特権・正当性などは誰にもないのだ。こうした卑劣且つ偽善極まる暴力がいまだに蔓延るのはひとえに誰も抵抗しないからである。


そこで、雇用条例だけでなく、労働者は貸金業者条例(放債人條例)をも把握する必要がある。


放債人條例(Money-lenders Ordinance)

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まず、求人詐欺と同様に違法な金融機関の罠を見分ける最も基本的な初歩的な方法は、それが法的に登録されている機関かを確認することである。具体的には、香港金融管理局のサイトにある認可機構及び本地代表オフィス登録(認可機構及本地代表辦事處紀錄冊)からその個別の金融機関が合法的に登録されているかでまずは、闇金融を確実に識別できる。オープンソースでできることは多い。しかし、これらの登録機関を装う詐欺も日本同様に日常当然ある。


何度も言及してきたが、中華圏の詐欺集団の圧倒的多数の詐欺の窓口は主にソーシャルメディアと新聞広告と電子メール・メッセージと電話である。


“閣下可在本紀錄冊內搜索認可機構根據《銀行業(披露)規則》和《金融機構(處置機制)(吸收虧損能力規定—銀行界)規則》發布的最近三年的披露報表。至於最近三年以外的披露報表,閣下可按需要瀏覽相關認可機構、其母銀行或集團公司(視屬何情況而定)的官方網站。根據法例,認可機構須於其或相關的官方網站發布載有披露報表的檔案資料庫。”


Register of AIs & LROs

“You may search for disclosure statements of AIs under the Banking (Disclosure) Rules and the Financial Institutions (Resolution) (Loss-absorbing Capacity Requirements – Banking Sector) Rules of the last 3 years from the online Register of AIs and LROs. For disclosure statements of AIs that go beyond the last 3 years, you may visit the official website of the relevant AI or its parent bank or group company (as the case may be) on which publication of an archive of the AI’s disclosure statements is required by law.”


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NEWS 【事実関係】


労働法制における目下の制度変更


1. 労働災害に関する職業安全及び職業健康法例条例LINK)の修正案が、2022年10月現在も審議中であり、これは2022年9月7日に秀茂坪安達臣道の建築現場でクレーンが土台の安全処置に関する管理側の不備でコンテナ・オフィス上に落下し、三人が死亡し六人が負傷した今年最悪の労働災害によるものである。修正案の目玉は、罰金額の最高額を600万香港ドルから1000万へ引き上げる点である。しかし、罰金額の量的変化だけで、各企業内の建築現場の安全処置の仕方自体が不変なら、直ちに労働災害防止にはならず、無意味である。この様に、枠組みと取り組みの仕方自体ではなく単一の量的変化だけで自動的に問題解決になるという、官僚主義の傾向は他の社会問題でも通底している特徴である。ここでも、法の執行面での、取り締まり面での不備と不作為の深刻な問題が疎かにされている。

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2. 最低時給賃金額の増額が、労資学官で構成する最低賃金委員会内部で、2019年以来凍結されている37.5香港ドルから40香港ドルへと2023年5月1日からの実施で合意される模様である。統計局の最新のデータ(LINK)である2021年5月−6月の香港労働者の平均月収は18000香港ドルである。従って、本来の最低賃金はこの平均月収の時給計算で決められるべきである。つまり、18000香港ドルを休息日や祝日を考慮した25日で割って、さらに1日8時間の国際基準で計算すると、最低限時給90香港ドルから100香港ドルでこの一人当たりの労働者平均の1ヶ月の生活が可能になる。であるからして、現行の最低時給賃金額は、政府の総合社会保障援助プラン(LINK)どころか平均月収額の半分以下である。つまり、最低時給賃金は貧困撲滅としては総合社会保障援助プランよりも高く、尚且つ平均月収の時給計算と一致させればいいのである。逆に、総合社会保障援助プランよりも高い水準だからこそ初めて市場への誘因になるのである。資本が最低時給賃金額を貧困ラインにおいて、市場への労働力の誘因を説くのは正に本末転倒な詭弁である。そして、工聯会の45香港ドルの目標は労働者への裏切りに等しい超低水準のバーゲンセールである。しかも、これは最低賃金の国際水準依拠ではなく、しかもあくまで香港自体の平均月別給与であってそれ自体が、物価・通貨変動と比較して十分か否かを、実は全く考慮していないのがポイントである。統計における月別平均賃金額は、正にこの点を暴露しているのである。さらには、この最低賃金の比率の上昇だけで貧困問題解決になると短絡的に政策を発想するのがこの官僚主義である。


3. M P Fの資本側による強制積立金分を、労働者の賃金の一部である遣散費や長期勤続手当(LSP)と相殺して、可変資本を節約する制度的な不平等は、2025年に廃止される見込みである。しかし、いくつかの落とし穴があり、相殺を完全に廃止していないどころか、現在全ての長期雇用労働契約者は転換日前であり、2025年度実施以降の418(連続雇用で4週間、1週間18時間以上の労働契約)を満たす未来の労働者だけが主な対象である。つまり、これは転換日前と転換日後同士の相殺を許可した政策、制度変更になっている。つまり、どう見ても不平等の解消にはなっていない。しかも、資本による任意の拠出金額や任意の年功手当(社内福利)を労働者の賃金の一部である遣散費や長期勤続手当(LSP)と相殺する点を合法化している。相殺ゼロとは正反対の代物である。


2022年6月9日、立法会は雇用・退職制度法(相殺の取り決め)(修正)法案2022を可決し、強制積立基金(MPF)制度における強制拠出による雇用者の累積計算された給付金を遣散費や長期勤続手当(LSP)の相殺に使用する取り決め(「相殺」の取り決め)を廃止しようとするものである。 政府は、2025年に予定されているMPF イージー・プラットホームの本格稼働時に、相殺の廃止を実施する予定である。

  

ヘッジアレンジメント廃止の主な特徴。

- 事業主は、「相殺」の仕組みの廃止が施行された後(転換日)、MPF強制拠出による累積計算の給付金を従業員の遣散費・長期勤続手当の「相殺」に使うことができなくなる。

- 任意拠出金に対する雇用主の累積計算の給付金や、勤続年数に応じて支払われる謝礼は、引き続き遣散費・長期勤続手当の「相殺」に利用することが可能である。

- 転換日前の大量解雇のリスクを最小限に抑えるため、転換日前にすでに雇用されている従業員の遣散費・長期勤続手当の転換前支給分については「免除」の取り決めを設ける。

「権利放棄」アレンジメントの主な特徴(転換日前に既に雇用されている従業員のみ適用可能)

- 転換日前に雇用されていた従業員の場合、遣散費・長期勤続手当は転換前(すなわち転換日前の雇用期間)と転換後(すなわち転換日以降の雇用期間)に分割されることになる。

- 転換前部分は転換日前の最終月の賃金とその時点の勤続年数で計算し、転換後部分は解雇前の最終月の賃金と転換日後の勤続年数で計算する。

- 遣散費/長期勤続手当の総額(すなわち、遣散費/長期勤続手当の転換前と転換後の部分の合計)は、依然として39万ドルに制限されている。 従業員の遣散費・長期勤続手当の総額が39万ドルの上限を超える場合、超過分は転換後の部分から差し引かれる。

- 雇用主は、遣散費・長期勤続手当の転換前の部分(転換後の部分は不可)と、MPF拠出金累積額(転換日以前、転換日以降、強制か任意かを問わず)を引き続き「相殺」することができる。


「相殺」解消後の月給制の従業員の遣散費・長期勤続手当の額は、以下のように計算される。


(1)転換日前の雇用期間。


o 従業員の換算日以前の直近1カ月間の賃金全額×2/3×換算日以前の勤続年数


(2) 転換日以降の雇用期間


o 雇用契約終了日の直前1カ月間の賃金×2/3×転換日以降の勤続年数


(3) 遣散費および長期勤続手当を計算する際の給与月額は22,500ドルを上限とし、従業員が受け取ることができる遣散費および長期勤続手当の最高額は390,000ドルである。

「相殺」の撤廃は、職業退職制度条例(Cap. 426)に基づく職業退職制度、助成学校積立基金規則(Cap. 279C)/助成学校積立基金規則(Cap. 279D)に基づく2種類の学校積立基金制度、MPF制度が免除された海外従業員が加入する海外職業退職制度にも適用される。

この「相殺」措置の廃止は、現在MPF制度やその他の法定退職金制度の適用を受けていない従業員には適用されず、彼らの遣散費/長期勤続手当(該当する場合)は、雇用終了前の最終月の賃金という現行の要件に従って引き続き計算される。

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4. 次は、年初に発生した強制隔離下での不当解雇問題への法的対応である。2022年1月25日から300人超のクラスターのために5日間強制封鎖となった葵涌邨の夏葵樓居住のパン屋の職員が不当解雇された問題が起因となった法改正である。ここでも、418の連続した雇用契約を満たす既存の長期労働者が保護対象になっている。しかも、いくつか細部の条件があり、少なくとも連続4日間の病気休暇を取得し、十分な有給休暇を取得をしており、尚且つ政府発行の証明の条件も満たさなくてならない。さらには、不当解雇への処置は復職という雇用救済には自動的にはならないし、会社による任意の判断でコロナ・ワクチン強制ができ、拒否した場合は合法的な解雇理由になるというのは労働者側の雇用の保障を損ねるものである。当該問題の解決手段の体裁で、全体としてはさらに雇用を弱めるものになっている。このように、労働者救済の表向きで、実は