香港労働 Hong Kong Labor Issues #1 日本人のための香港労働問題研究:香港と日本の労働環境の基本的差異と労使紛争時の注意事項
Updated: Jan 2, 2022
#香港労働法 #日本人 #HongKong #Labor #Issues
序論:為居港日本勞動者階級撰寫的香港勞動問題研究
Studies of Hong Kong Labor Issues for Japanese Workers in Hong Kong
まず、香港の労働法や労働問題に関して注意するべき点は、「人事労務管理」の立場は資本家・企業側の為のものであり、そもそもそれらは労働者が対象ではない。であるからして労働者にとっては労働者階級の立場からの勤労労働者の側からの論考こそが必須という事である。また、人材紹介会社兼労務コンサルタント達が「雇用条例が香港の労基法」などと安易にミスリードしているのとは正反対に、香港には雇用条例はあっても、日本や台湾の様な労働警察としての労基署が取り締まる通称労働基準法はない上に、雇用条例だけが香港の労働法制を構成しているのではないという点にも留意するべきである。
本論考は、日本の労務環境の未来像である高度なネオリベ社会(実際は、植民地時代から続く旧社会に顕著な独占資本主義)である香港において、日本人が不可避的に面する日本と香港の労働環境の差異と共通の諸問題を、労働者階級の立場及び正当な権益に立脚して全面的に行う。
ネット上で大多数を占める人材紹介コンサルタント/エージェントや人材紹介企業、労務コンサルタントの所謂''労務管理''の観点は誤謬やミスリードに満ちており、それとは正反対に''労働者階級の利害''の立場観点から検閲なし、タブーなしでこの香港社会の労働問題についての論考と実践を展開する。
日本人のみを対象にした論考の為日本語で論じる。目的は、日本人の立場から香港の労働問題に挑むことである。ちなみに、香港人がよく誤解しているのは、日本人倶楽部 (The Hong Kong Japanese Chamber of Commerce and Industry) は、実態は日系企業の経営者たちの有料の会員制の協会、商工会議所(企業連合)で、労務コンサルタント達の顧客であっても、労働者には全く関係がない。
また、その他格別に言及すべき注意事項は、日本語フリーペーパー(連中の宣伝とは違い、一般的に実際誰も読まない、知らない)のブラック企業(例:ZETS)は、日本国内で現地採用の求人(日本国内の労働者たちに対して香港の現地採用の募集というのは、香港自体の労働市場を無視した常識的には奇怪な論理であるし、国内労働者の権益保護という観点から日本国内の労働法による規制が必要である)を出し、労働ビザなしの違法労働を試用期間に住居も旅費も自費で出させて従事させたりするのが常態化しているので要注意。
最も広範かつ基礎的な社会問題(人の生活に関わる問題;死活問題)とは個人にとっても、全体にとっても労働問題である。社会的関心が何よりもまず労働問題に向かないのは、灯台下暗しであり、結果の無内容をアプリオリに規定する。
さらに、働く権利は、人権であり、生存権と同義である。失業の存在は、市場経済では不可避であるとして同意する必要は労働者側にはない。失業とは、人権が蹂躙された状態であり、貧困、ホームレス、格差を意味している。資本主義の原罪であり、資本主義の労働市場がある限りあくまで不可避的に就業の反対面として表裏一体に存在する。
1%の為の政治か?99%の為の政治か?
良い政策、良い社会運動、良い思考言論活動とは総じて労働者階級の生活水準を向上させることである。
例えば、2020年に自壊した安倍政権が非正規であれ雇用数を増やしたのは統計上の形式、マジックとしては肯定できるが、それはネオリベの典型的な欺瞞であるトリクルダウン(trickle-down effect)の結果ではなく、事実は全く逆立ちしており、逆に単に既存の、そして新規枠の正社員を減らして非正規雇用に割っただけであり、資本家の増大した利益、内部留保の分配ではない。それを持って実質国民所得が実質賃金指数で5%も低下している不況を否定することはできない。
実際は正確には0.001%の為の政治になっている
日本全国法人288万1,052企業(2021年国税庁調べで約300万社に減少;同一企業がいくつか事業所を登録して経営しているので、実際は事業所としては2016年で557万8975事業所)のうち、日本で上場するのは3千強の企業(2019年;3,706社、外国会社は4社だけ;2021年1月末時点では全国東京、名古屋、福岡、札幌の4つの証券取引所の上場企業数は、合計3,860社に増加)。
つまり、0.001%の企業(合計上場企業数を全国法人数で割ると、割合自体が見事に政策的にコントロールされ、例年維持されているのが分かる)の株価を、社会福祉や失業保険額を削った上での公的資金投入で、釣り上げる腐敗(香港のMPFは労働者の福利の虚構の上に実はこの様な投資を行う機制)も断固として許されるものではない。従ってネオリベのポスト安倍政権を支持する道理は、労働者階級にはない。また、
労働者が仕事をするのは、賃金のためであって、経営側が志向する利益利潤のためではない。
READ MORE:
日本全国法人企業及び事業所数
https://www.stat.go.jp/data/e-census/2016/index.html
日本の上場企業数
https://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html
労働者が契約する労働時間は実質的には、必要労働時間と剰余価値を搾取される剰余労働時間とからなる。例えば契約労働時間8時間がそのままの賃金価値を生んでいるのではなく、必ず商品サービスの産出及び自身の賃金生活の再生産のための必要労働時間に、資本家のための剰余労働時間を足した労働時間で考慮されているカラクリである。つまり、さらには契約時間外の種々の剰余労働時間の残業(延長)が本質的に想定されているし、労働者はその両者を合わせた時間働く事で剰余価値を資本家に献上しているのである。本質的な搾取の構図である。
単に、契約労働時間外のみが剰余労働時間というのは契約労働時間内に既に包含、想定されている基本剰余労働時間を無視した詭弁である。
話を戻せば、文字通り、0.001%の企業が上場しているだけで、その為に労働者全体の社会的総体としての賃金の一部を構成する社会保障制度が、企業や官僚によって上場企業への投資に使用される事自体が不当である点を、日本では未だ問う者が皆無である。投資の仕方ではなく、そもそも社会保障制度の基金を投資に使う事自体が不当なのである。2020年安倍政権がついに自壊したが、その政策は継続される。
ここで、安倍政権の全期間を総括するのは実質GDP成長率マイナス0.1%という点である。お友達企業の内部経済を官製相場で潤しただけで、日本経済全体は名目ではなく、実質GDPの成長率上マイナス0.1%の規模となった。
アベノミクス:
2012年10-12月期の実質GDP498兆円。
2020年4-6月期の実質GDP485兆円。
つまり、
第2次安倍内閣発足後から第4次安倍政権自壊の2020年8月28日までの実質GDP成長率単純平均値(季調済前期比年率)はマイナス0.1%。
東日本大震災・福島原発事故や鳩山、菅、野田による2012年12月16日大敗までの民主党政権では、実質GDP成長率平均値はプラス1.7%。
どちらも悪夢の政権だとしても、一定の程度の違いがある。
しかも、これまでは5%減少だったが、今では悪化して一人当たり実質賃金は約6%減少。(毎月勤労統計調査参照)
一言で括ると、2012年末以来の安倍政権から現在2021年の菅義偉政権下の日本全体の経済はマイナス成長で、全ては特定の上場企業の内部経済を潤すために政策動員されたのが実態である。
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コロナ・ウィルス蔓延下での日本人の遭遇する労働問題急増
コロナ・ウィルス騒動下で、政府機関が麻痺し長期実質上の春節有給休暇がホームオフィスの名目下で2020年3月2日まで延期された為に、この労働問題が最も頻発している期間に各労働者達の遭遇するトラブルが山積してしまっていた。その後、大陸やマカオや台湾とは対照的に、香港のコロナ感染拡大と騒動の第三波が2020年7月1日の28件を皮切りに、史上最悪の規模で本格化した為に、香港政府は再び2020年7月19日から公的機関のサービスを自粛する事になった。
これは、海外船員やトランジットの乗組員パイロットなどへのPCR検査があたかも行われているかの擬制のもとで、実は検査が免除されていた事からも、それらの域内でのタクシー利用や買い物、食事などで老人ホームやショッピングモール、レストランなどで接触する公務員達の間でも爆発的に感染が拡大していた。水道や宗教施設や空気感染や東南アジアからのハウスサーバント(家事使用人)云々よりも、コロナウイルスはこうして自然ではなく、不適切な政策面の問題で人為的に検査免除リスト上の者たちから主として輸入されたのである。これで、再び労働問題の処理が山積する事になった。
2021年5月の本文加筆訂正の現時点では、アクティブケースの総計の推移で見れば、2020年11月19日の151件以降突入した長い第4波が、同水準以下になった2021年4月30日の150件において半年かけて4月下旬に収束したと言える。しかし、インド、フィリピン経由の変種がビジネスクラスを介して香港に侵入し、拡散したために依然ゼロCOVIDを達成していないので、全中国において香港だけが防疫に失敗している。日本などの外部の見方とは致命的に異なり、香港内部で香港の防疫が成功しているとみなしている者は市民の側にはいない。ちなみに、今回のコロナ蔓延での死者は、210名であり、前回のSARSの299名と大差がない。
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さらには、2021年5月8日時点で、香港が輸入したコロナワクチンの合計死者数が31名に達した。主として中国製ワクチンの死者数が最多である。血栓や過剰反応で突然死しており、入院者も後をたたない。さらに安全性や変種への有効性が懸念されており、強制接種は更なる死者を招くことから、香港ではあくまで直接的な強制接種はないとしても、出入国の条件になる可能性が高い。
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58歲女死於大動脈撕裂 61歲男工作間昏迷不治 生前曾打復必泰
2021年7月執筆時点では、コロナの合計死者が212名になったが、幸い第5波の兆しはなく、コロナゼロに限りなく近い状態が連日維持されている。コロナの死亡率は低いが、悪戯に安全性と有効性の不確かなワクチンの接種のリスクを犯す必要はない。年齢や持病の有無に関係なくワクチン接種後の、ベル氏麻痺(Bell's palsy)のような副作用や死亡例は散発的に続いている。
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1、香港の雇用契約で中国大陸勤務の場合:香港の会社に雇用され、香港の雇用条例が適用される事を明記した雇用契約の場合は香港で処理するしかない。 香港契約で大陸に派遣する手口は、日本人だけでなく大陸人や香港人も多く犠牲になっている。まず、香港に戻るということはないのが特徴である。香港には、派遣法がなく、派遣労働という一般の範疇概念がない。しかし、それは派遣という形態が悪用されていない事を意味しない。それは、実質的には存在する。
2、社会的な労働問題の解決の手段と手順:制度的に大枠規定されている。
まず自身の属する業種の専門の産別の労働組合で相談し、労働組合に参加して、労組の支援を得られる体制を作り、それから労組がサポートしてくれる形で、弁護士が双方不要な労資審裁処で相手企業を訴える形がある。まずは勤務先を管轄する労工処の雇用関係科にも相談して、そこから調停の方法があるが、相手企業の人事部が出てきて話し合いになる。この調停が失敗すると、労資審裁処、高等裁判所へと段階を経ていく。