香港労働 Hong Kong Labor Issues #17 日本人のための香港労働問題研究:日本の労働者は如何にこのネオリベラリズム社会の労働問題に挑むべきか?事業閉鎖に伴う遣散費とは?

Updated: Sep 12, 2020

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香港労働 Hong Kong Labor Issues

全ての労働問題は労使関係という全体として関連しあっている

この主題は、解雇の問題、雇用主によるいじめの問題とも関連して、法的対処策を論述することになる。所謂民事的な労使紛争も、本来であれば団体交渉権がある日本では、団交で交渉できるが、香港の労組はそれを有していないので、条例間の認識と考察から、この行政機関の枠内での解決策をまず講じなければならず、資本家側との紛争時に重要な判断基準を与えてくれる。

労働力は商品であるという観点が香港は、欠如しているが、労使関係という資本主義的生産関係において固有な労働問題は、それに関連する者の個別的な、社会的に典型な人格に関連しても生じるが、基本的に問題性の本質の顕在化であり普遍性を有している。つまり、その解決策も本質において相互に関連し合っている。完全に相互断絶したものはないと言える。考察は常に、この全体の脈絡の中で行うべきである。個の社会問題は、全体の社会問題でもある。各人の社会的責任の問題は、労働問題が自身に顕在化した際にどう自分がそれに面するかである。

殊に官僚は、異なる条例間において自己の管轄の条例にしか興味も関心もなく、また自己の条例の運用マニュアルに盲従して条例自体も疎かにしがちである。この致命的な点が、いわゆる大企業の法務部というチームが相互の条例の穴を狙うのに対して行政機関を薄弱なものにしている。

同一雇用主に2年以上勤務で遣散費(けんさんひ)の対象になる

本題目は、事業閉鎖に伴う遣散費(整理解雇の金銭賠償と言っても、法で最低限払うことが義務付けられているだけで、心身、及び経済的な具体的な損害は、損害賠償要求を労働者は行うべきである)が支払われなければならないケースについて単に述べるのではなく、香港で常に頻度の高い事業所の閉鎖の可能性や金銭解雇が多くあることから、現行のブルジョア調停主義の最低基準主義の法制内でどこまでそれらの悪しき現象に抗することができるかの検証である。

この遣散費、整理解雇についての雇用条例の該当条項は第31B条である。(1)

まず、対象となる労働者はその解雇日までに連続した契約で二十四ヶ月以上勤務していた事実が必要である。この条項でも、資本家側(実際はマネージメント職員と人事部の合作)が理由を説明をする責任について言及していない。

31B.

General provisions as to right to severance payment

(1)

Where an employee who has been employed under a continuous contract for a period of not less than 24 months ending with the relevant date—

(Amended 76 of 1985 s. 5)

(a)

is dismissed by his employer by reason of redundancy; or

(b)

is laid off within the meaning of section 31E,

the employer shall, subject to this Part and Part VC, be liable to pay to the employee a severance payment calculated in accordance with section 31G.

(Amended 52 of 1988 s. 5)

(2)

For the purposes of this Part an employee who is dismissed shall be taken to be dismissed by reason of redundancy if the dismissal is attributable wholly or mainly to the fact that—

(a)

his employer has ceased, or intends to cease, to carry on the business—

(i)

for the purposes of which the employee was employed by him; or

(ii)

in the place where the employee was so employed; or

(b)

the requirements of that business for employees to carry out work of a particular kind, or for employees to carry out work of a particular kind in the place where the employee was so employed, have ceased or diminished or are expected to cease or diminish.

(Replaced 62 of 1992 s. 4)

(3)

For the purposes of the application of this Part to an employee who is employed as a domestic servant in, or in connection with, a private household, this Part (except section 31J) shall apply as if the household were a business and the maintenance of the household were the carrying on of that business by the employer.

[cf. 1965 c. 62 ss. 1 & 19(1) U.K.]

突然の閉鎖の通知が日常茶飯事な香港の労働環境では、この期間条項は不利である。しかし、整理解雇はそれを規定するのは法廷であるが、その概念の外延が日本よりも広義である点が無視できない重要点である。この曖昧さ、外延の広さは労働者が解釈し運用するべき点である。


閉鎖予定の告知もこの範疇(解雇の背景理由を構成する)に入るからである。

日本以上の異常な貧富の超格差は強力な富裕層所得への累進課税強化を行うべきである。所得格差とは、雇用差別、雇用形態の差別のもたらす格差(差別)でもある。それは、すでに求人の過程、方式、段階において格差を構成している。

話は逸れたが、整理解雇と解釈できる基準が本条項で明記されている。中でも資本家側が業務を停止する事は当然の外延であるが、注目するべきは事業部門、業務、事業所を閉鎖する事を検討するという事(宣言)も含まれる点である。

つまり、当該業務の必要性が既にない事が宣告されたり、その必要性が減少したりする事が宣告されたり、その業務が不要になるあるいは必要性が減じるであろう事が予め宣告される事も整理解雇の範疇に入る。ここに背景理由というものが法的に存在することになる。

これは、整理解雇に単に限らず、解雇の背後の原因、不当解雇の論証の問題にも関連する論点を当事者たちの思惑とは別に客観的に排除できない要素として与えてくれる。

香港では、普通解雇も整理解雇も金銭解雇として現地人たちには冷笑的に泣き寝入り状態で捉えられている。本論考は、日本の社会の観点、純粋な日本人の労働者の観点からこの社会の労働環境を論じている。解雇の背景となる原因、つまり背後原因が個人の行為を原因にした表面的な独立した原因を構成していない状況が、違法解雇の概念及び争点化の可能性をもたらす。これは、圧倒的に不利なネオリベ香港の労働環境で、労働者が依拠するべき極めて重要な争点化の重点になる。つまり、提示される解雇理由が真に独立した理由を状況全体から構成しているか?他に状況から決定的な背景が存在しているかが重要になる。 

人間の尊厳は、時として生命よりも社会的に重要になるが、労働者にとっても労働者としての人格権は侵害されるべきではない。断固として抵抗の意思を示し、法廷へ闘争を持ち込む覚悟が香港では日本以上に不可欠である。厳粛に、違法行為を行うマネージメントを随時摘発し労働問題を消滅させていく努力が必須であり、これは階級闘争の環である。各人の労働環境が各人の取り組むべき労働問題の在りか、目の前の出発点である。そこにも普遍的な労使関係の概念が貫いているからである。

労働者階級の神聖な利害以上に守るに値するもの、至高な人間的価値は社会的にない。労働運動は、生きた階級闘争の在りかである。労働問題こそが最も根本的な社会問題であり、これ以上に重要な社会問題はない。その他の全ての社会問題をそこに包括しているからである。例えば、環境問題も、医療福祉問題も資本主義的生産様式の産物である。原発問題も資本主義の産物であり、除染労働者の労働問題も派生させている。労働問題を軽視することほど不可解で危険な態度はない。それこそ本当の愚行である。また、労働問題は単に民生だけではなく、民主主義の問題でもある。労働者階級の立場に立つことは、真の人道主義、民主主義の資本主義社会内における基本的な原則である。労働市場は、資本主義における労働の在り方であり、市場経済とは、資本主義に他ならない。 

遣散費の条件:

1、同一の雇用主に連続した契約で2年以上勤務

2、工場や会社の閉鎖。

3、リストラによる解雇。

4、もし連続した4週間以内に、労働者が仕事を与えられず、賃金を支払われない日が通常の仕事日数の2分の1を超える場合;または、連続した26週間以内に労働者が仕事を与えられず、賃金を支払われない日が通常の仕事日数の3分の1を超える場合。

この通常の仕事日の総数とは、閉鎖日や休日、年間休暇、法定休暇などを包括しない。

判例法理:Acted Engineering Limited v Chan Chun Wah (LTA 5/1991)

これは金銭解雇、香港の資本家及びそのマネージメント(経営陣と一体化した管理職)の典型的価値観をよりよく表現した御伽噺のような判例である。労働組合員は悪しきマネージメントを粉砕し、あくまで階級闘争を徹底するべきである。この判例は、尊敬するべき労働者個人の階級的な勝利であり極めて人道的価値が高い。これは本来の仕事というべき社会的な偉業である。

その資本家は二人の建設工事(地盤)労働者を持っていた。一つの工事が間もなく終わる頃になると、スーパーバイザー(管理労働者、つまり管理職、資本家の手先)は比較的に良いと考える労働者を選択し、次の工事へと移り、そうではない元からいた労働者を、その行為が不当であるとして解雇し、遣散費を払わなかった。整理解雇に伴う社会的な責務を回避するために普通解雇の体裁をとるという手段が取られた。このような資本家都合の無理押しが悲劇と衝突の始まりである。その資本家は、当初解雇の原因は遣散、つまり閉鎖ではないとしたが、高等法院は労働者が解雇された背後の原因は閉鎖であると認定した。なぜなら、もし最初の工事が完了していなければ、その資本家は当該労働者の行為を原因にして解雇することはない。

もし、それでも本当に労働者の行為を原因にして解雇する場合、全体の状況においてそれがそれ自体として独立して理由背景を構成し、その他の背景となる理由がない状態を示す。


たとえ、閉業や業務完了をする可能性があるとしても、すべてその行為に依って解雇されたということでなくてはならない。つまり、閉業や業務完了が状況として予告や事実として顕在した場合は、すでに行為の理由が独立した理由にならないので、それは整理解雇と解釈される。

ここから分かるのは、人手に関して仕事の需要が減少していけば、例えば5人を3人に減らす場合、資本家は比較的に良いと考える労働者を残し、その他は行為やパフォーマンスを理由にして解雇するとする。この場合、主観的なものの見方がどうであれ、例え解雇されたその他の労働者たちのパフォーマンスが本当に相対的に悪いとしても、背後の解雇の原因は仕事への需要の減少である。したがって、労働者は遣散費(Consolation Money)を受領できる。

香港の人事部は、まさにこの点を塞ごうとする。便宜をみすみす与えてはならない。

遣散費(Consolation Money)の計算方法

遣散費(Consolation Money)の計算方法は、雇用条例第31G条で明記されており、基本的に連続した契約の労働者で、2年以上同一雇用主に勤務した上で、勤務一年未満の者は比例で計算するが、一年を満たすごとの最後の月の月給の3分の2、或いは2万2千5百香港ドルの3分の2であるが、この両者の内比較的に小額の方を基準にするので、労働者には有利とは言えない。

31G.

Amount of severance payment

(1)

Subject to this Part, the amount of a severance payment to which an employee is entitled in any case shall be calculated by allowing—

(a)

in the case of a monthly rated employee, two-thirds of this last full month’s wages, or two-thirds of $22,500, whichever is less; and

(b)

in any other case, 18 days’ wages based on any 18 days chosen by the employee and occurring during his last 30 normal working days, or two-thirds of $22,500, whichever is less,

(Amended L.N. 264 of 1995)

for every year (and pro rata as respects an incomplete year) of employment under a continuous contract by his employer subject in all cases to a maximum payment not exceeding, where the relevant date occurs in a period specified in column 1 of Table A in the Seventh Schedule, the amount specified in column 2 of that table opposite to the period.

(Amended 5 of 1995 s. 6)

(1A)

Notwithstanding subsection (1), where—

(a)

the relevant date occurs in a period specified in column 1 of Table B in the Seventh Schedule; and

(b)

the employee has been employed under a continuous contract by his employer for a period (employment period) which immediately precedes the relevant date and is longer than the period specified in column 2 of that table opposite to the period in which the relevant date occurs,

that part of the employment period exceeding the period so specified in column 2 of that table shall be reduced by one half for the purpose of calculating his entitlement under subsection (1).

(Added 5 of 1995 s. 6)

(2)

Notwithstanding subsection (1), the employee may elect to have his wages averaged over the period of 12 months immediately preceding the relevant date, but where he so elects, then—

(a)

in the case of a monthly rated employee, the monthly average shall not exceed $22,500; and

(b)

in any other case, the total wages for the period of 12 months shall, for the purpose of calculating the daily average, not exceed 12 times $22,500.

(Amended L.N. 264 of 1995)

(3)

For the purposes of this section, in the case of an employee who was employed under a continuous contract otherwise than by way of manual labour and whose average monthly wages during the period of 12 months immediately preceding the date of commencement of the Employment (Amendment) Ordinance 1990 (41 of 1990) exceed $15,000, a reference to the period of employment under a continuous contract shall not include a reference to any such employment occurring more than—

(a)

3 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1990;

(b)

4 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1991;

(c)

5 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1992;

(d)

6 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1993;

(e)

7 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1994;

(f)

8 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1995;

(g)

9 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1996;

(h)

10 years prior to 1 January 1990, where the relevant date occurs in 1997 or any year thereafter.

(Replaced 41 of 1990 s. 9)

しかし、この法定の福利を回避し、ただ普通解雇で出来るだけ安く済まそうという悪しきマネージメント及び人事部の奸計も後を絶たない。このような奸計は公開し、批判を行うべきである。何もしないで受け入れるだけでは労働者の社会的責務を果たしていない。

当該計算方法は、日雇いやプロジェクトごとの被雇用者は、最後の30日の通常の仕事日中の18日間の賃金かける勤務年数;または、この雇用形態ではその最後の12ヶ月の平均賃金で計算することもできる。

そして、月給制の被雇用者は、最後の月の賃金の3分の2かける勤務年数である。一年に満たない勤務期間の部分は、比例に応じて計算する。

''関連した期日''(Relevant Date)という用語の意