Hong Kong Labor Issues #38 日本人の為の香港労働問題研究: 労働法規に関する諸問題 Practical Questions of Labor Laws (Japanese)

Updated: Sep 12, 2020

#香港労働法 #日本人 #HongKong #LaborIssues


実践を通じて真理を発見し、又実践を通じて真理を証明し、且つ発展させる。感覚的認識から能動的に理性的認識を発展させ、又理性的認識から能動的に革命の実践を指導し、主観的世界と客観的世界を改造する。実践、認識、再実践、再認識、この種の形式は、尽きることなく循環往復する。そして、実践と認識の毎回の循環の内容は、比較的にさらに高次の程度へと到達していく。これこそが、弁証法的唯物論の全認識論であり、これこそが、弁証法的唯物論の知行統一観である。


                      - 毛沢東 (1)


本論考では、2017年より正式に開始した国際的な、香港労働問題の理論的研究と実践過程に於いて、多くの質問を得た各疑問点に関し、回答を概括的に著述すると同時に、労働問題に於ける香港の法定の各種手当の計算方法の範例を示し、尚且つ、一般的な労働問題の研究家たちに欠如している、認識分析の双方向性という弁証的観点の重要性を今回はここで強調する。何度も繰り返すが、私は永久に、完全に労働者階級の立場を徹底して擁護する。そのための人生である。香港は、世界最高の資本家の自由を誇り、労働者階級にとって最も不自由な環境であり、ここでの対策は他の資本主義社会ではより有効と言える。


労働者たちが、相手にする企業、資本家とは実際には、それを代表する人事部やそれと結託する管理職である。


そこで、人事部の観点からの労働問題の把握は、労働者階級に労働問題に関する双方向性を、つまり、一面だけでなく、多面的な理解と認識観点を与え、全面的なもの、豊富なものが、真理の理解、正しい物事の理解の立場であるという本来の認識論の立場に回帰する。


唯物弁証法(弁証法的唯物論)、つまり実践と理論の弁証法的矛盾は、国の政策レベルだけでなく、個人の社会的な実践も理論も貫いている。それは、一つの社会的な実践と理論の総体の運動の中に、個人も包括している。



よくある質問 (人事部の実務上の典型的諸問題)



Q1. 独立資本経営の弁護士事務所は、その職員を派遣して労資審裁處で裁判審議に代表として参加してもいいのか?


回答:いいや、それはできない。弁護士事務所は、一会社である。ここでは、独立資本という経営の形態は、無限責任会社である。それは、会社の所有者がその会社を代表して出席できるのみである。


Q2. 少額報酬賠償請求仲裁處は、訴因が一年を経過している案件を受理できるか?


回答:いいや、それは不可である。少額報酬賠償請求仲裁處条例では、当該機関が受理できるのは、訴因が発生した日から1年を経過しない案件だけである。


Q3.労工處の労資関係科は、労災の休暇手当の請求の訴求を処理できるか?


回答:いいや、それはできない。なせなら、労災休暇の手当は、労災の補償になるので、管轄が違う。それは、同じ労工處の雇員補償科の管轄になる。窓口は、間違えてはならない。


Q4.雇用条例第70条により、もし雇用契約内のいかなる条項が、当該条例が付与する権益を喪失あるいは減少させるものである場合は、当該条項を無効化するか?


回答:もちろん、雇用条例第70条の条文の通りである。これは、求人詐欺にあったものを契約後に救うことができる。しかし、書面による通知は必須である。


Q5.雇用主は、雇用条例の第9条で労働者を解雇する場合、推定解雇になるか?


回答:いいや、ならない。第9条は直接解雇規定であり、推定解雇は間接的な、或いは暗示的な形で行われる実質解雇である。また、日本同様、雇い止めが解雇該当という判例法理も現在存在する。そして、仲裁や、調停の対象になる。


Q6.求職者は、求人会社の雇用主に対してその相関する資料のコピーを返還請求する権利があり、雇用主は40日以内に提供しなければならないか?


回答:求職者にはその権利がある。個人情報の取り扱いを規定したプライバシー条例の範疇の問題になる。つまり、雇用条例だけが労働問題に関する法令ではない。


Q7.もしある年配の女性が、ある男性の差別にあったとする。その女性は、差別条例を引用して、平等機会委員会に対してその男性を告発できるか?


回答:香港の差別条例の類は、ザル法であり、しかも年齢差別条例はないので、年齢差別は自由という事になる。年齢差別は規制されていない。これが、香港の資本主義の自由度の本質である。


Q8.MPF条例の下で、雇用されて満60日の労働者は、一ヶ月の支払い免除期間を得られるか?


回答:その通りで、最初の一ヶ月分はMPFは賃金から控除されない。


Q9.雇員補償条例により、労災補償は労災休暇手当、医療費、おろそかにした分の比率での補償か?


回答:いいや、労災補償は労災休暇手当、医療費、そして法廷が決める労働能力を喪失した比率での補償になる。労災はまず裁判になる。


Q10. 求人広告において、もし会社がロゴなしで、会社名と連絡方法だけの場合、それでも求職者から個人情報を取得できるか?


回答:いいや、できない。求人広告に関わるのは、唯一プライバシー条例だが、それは、プライバシー情報の取り扱いに限定されている。しかもこの場合、個人情報を収集する目的及び声明が欠如しているので違法である。求職者本人が同意すれば合法なのではない。これは、実体法ではなく、手続き法である。求職者に香港で関わるのが、プライバシー条例であることは、疎かにされている。


プライバシー条例違反は、ブラック企業の指標である。少なくともプロの人事がいず、法律概念もないことを証明しているからである。



典型的な各計算方法



Aは、日雇い労働者で、毎日の賃金が2009年1月1日から300香港ドルになった。彼は、1995年6月30日に入社した。そして、2010年6月29日に予告期間を与えずに解雇した。


その際、彼には8日の年休と2010年5月1日のメーデーの休みを勤務の為取得していない。


しかも、彼は2010年5月3日から7日まで無給の休暇を取った。


そして、双方の通知期間は一ヶ月である。


もし、会社の会計ならどうその解雇補償を計算するのか?



1、解雇予告手当


過去十二ヶ月の完全な期間として捉えることができるのは、この場合2009年の6月1日から2010年の5月31日までである。当月は不完全なので含めない。


その期間に、彼が個人的に取得した無給休暇は2010年5月3日から7日までであり、この場合日本と違い、5月3日当日も含めて考える。すると5日無給休暇と、365日における休暇は52日間通常あるので、365日から5日の個人的な無給休暇と、平均的な一年の無給休暇の合計である52日を引くことになる。


そして、過去十二ヶ月で308日勤務したということになる。彼はこの期間既に平均収入は300元であり、その勤務日数で300元

をかければ、過去十二ヶ月の合計収入が出る。


300 x 308 = 92,400 HKD


さらに、過去十二ヶ月の平均の日当たりの賃金は、一年合計の賃金を308日という総勤務日で割れば出る。


92,400 / 308 = 300 HKD


ここでは、一ヶ月の解雇予告手当は、彼の一ヶ月の勤務日である26日間で計算する。31日で計算しない。


解雇予告手当は、一ヶ月の勤務日数で、平均賃金にかければいい。


300 x 26 = 7,800 HKD


2、有給年休の手当


8日の年休未消化とある。法定年休の手当は、ここでも既に上記計算済みの過去十二ヶ月の平均賃金、この場合は日当たりの平均賃金になる。それは、平均賃金に、年休の日数をかけるだけである。


300 x 8 = 2,400 HKD


3、2010年5月1日のメーデーの休暇労働手当


ここでは、過去十二ヶ月の期間が5月より前になるので、変更する。2009年5月1日から2010年4月30日という完璧な期間が適当である。


この過去十二ヶ月の平均賃金は、365日から平均的な一年間の無給休暇の合計52日を引いた数で、1日あたりの三百ドルという規定の賃金にかける。


365-52 = 313 総勤務日


300 x 313 = 93,900 HKD


平均の日当たりの賃金は、この一年間の合計賃金を総勤務日で割ればいい。


93,900 / 313 = 300 HKD


当日一日の分なので、そのまま有給年休手当は300 HKDである。


4、長期服務金


これは、基本的に遣散費の計算方法と重なるが、日雇い労働の場合は、x18日という規定の数値を忘れてはいけない。1日の平均賃金額に対して、x18をするだけでなく、さらに勤務年数をかける。彼の平均賃金は300元である。そして、日雇い労働の場合は、x18日をする。そして、彼の勤務年数は15年であるから、さらに15をかける。単に平均賃金に勤務年数をかけた数字ではない。


300 x 18 x 15 = 81,000 HKD


5、MPF 当月支払う額


MPFは、当月賃金の5%である。ここでは、6月のAの総賃金、総収入額を計算する。


6月に彼は、26日ではなく、25日勤務という事態になった。6月の実際の勤務日は25日間であり、平均賃金の300ドルを掛ければいい。


300 x 25 = 7,500HKD


8日の年休は、そのまま平均賃金で8日を掛ければいい。


300 x 8 = 2,400 HKD


2010年5月1日のメーデーの休暇労働手当は、1日の平均賃金である。


300 HKD


MPFの対象になる合計の賃金は、これらを足した総計になる。


7,500HKD + 2,400 HKD + 300 HKD = 10,200 HKD


その5%がMPFで引かれる。


5% = x 0.05


10,200 x 0.05 + 510 HKD


実務的な課題


1、もし不幸にして、会社の即時解雇に遭った場合、補償も与えられなかったとする。その場合、基本的にどうするべきか?


回答:契約終了後に、7日を経過しない前に必ず勤務地の所轄の労工處の労資関係科に登録する。これは、この補償なしの即時解雇の場合は不可避の動作になる。香港には団体交渉はないので、解雇のケースでは労組は何もできない。


それから、労工處で調停会議を開き、調停による解決を図る。


この段階の調停が失敗したら、当該調停案は労資関連の法廷へ移される。


労資関連の法廷にて、受理され、審議され、出廷する。


それから、労資関連の法廷にて判決前に、まだ調停により和解の解決が可能であり、その場合、和解の合意が成立し、法廷が命令の形で出す。


労資関連の法廷で、結局解決がない場合、一般の法廷に入る。そこでは、弁護士の訴訟費が伴う。


最終的に、そこでも判決が不服なら、上訴して高等法院の原訟庭に訴える。


これが、全体の法戦の流れになる。



2、求人広告


技術的には、制約はプライバシー条例しかない。ポイントは、求人機構の名前、連絡方法、職位名称、そして、個人情報を収集することとその目的に明示というだけである。求人広告自体に触れるのは、雇用条例と関連法にはない。求人詐欺が完全自由化している。日本的な求人詐欺は、違法行為にならない。


職業紹介所だけが、求人広告を扱う主体ではないので、求人広告自体を取り締まる法整備が必須である。



3、面接


面接に関しては、さらに何らかの法制による直接に制約は見当たらないが、プライバシー条例や差別条例が関わるぐらいである。雇用条例は関わらない。


要点は、形式には拘泥せず、面談、チームごとの集団面接、技能検査などがある。