香港労働法 Hong Kong Labor Issues #44 日本人のための香港労働問題研究:新型コロナウイルス肺炎の労災未認定下に於ける労災認定と補償について
Updated: Aug 6, 2021
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2020年5月1日 メーデー(労働者の日)に際して
「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、私たち自身の好きなことのために」
1886年5月1日にアメリカのシカゴ中心に合衆国カナダ職能労働組合連盟により始まった8時間労働時間制者階級の連帯と団結の祝日でもある事が忘却され、メーデーの本義を知らないでメーデーという名前しか知らない労働者が多い。しかし、これはWikipediaによる歴史修正主義的な洗脳であり、実際は第二インターナショナルのパリ大会でエンゲルスが1889年7月に決議で通過させ、1890年5月1日から国際的な祝日とする旨が確定したのが今日のメーデーの始まりである。
メーデーの父であるエンゲルスの意向とは裏腹に大変遺憾ながら、香港では、この日は、完全にフェスティバル化しており、体制派(親中派という訳は不正確であり、建制派とは体制派のことしか意味しない)も反対派も未だ香港で実現できない8時間労働時間制の法制化の要求を法案として立法会に出さず、前者は新型コロナウィルス蔓延下での失業救済金や銀行休日と法定休日の統一などの二次的、近視眼的な一時的な処置にしか言及すらしていない。
香港の労働者階級の最大の欠陥は、まず第一に団体交渉権の欠如であり、同程度に最重要なのは、8時間労働制である。これがないために残業代ゼロであり、過労死及び格差は日本以上なのである。サービス残業は、労働者の生み出す剰余価値の搾取の理想形態であり、資本家側は全く賃金を払わないで、文字通りただ働きさせて、自身は利潤をそのまま得るという盗みである。
香港では、例外として香港民主民生協進會と職工盟の反対派二政党がかろうじて主張するぐらいである。しかも、この2020年の5月1日は、純粋に8時間労働制や団体交渉権を希求する労働者の声ではなく、コロナ蔓延下でも散発的に継続していたが、2019年6月12日以来の反逃亡犯引渡し条例法案のカラー革命の本格的な再開の日となった。
体制派の無能ぶりには失望と倦怠以外にない。今や8時間労働制要求のポーズすら影を潜めた。香港の労働者階級は自身の利害の代表者を未だ欠いているのである。