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Hong Kong Labor Issues #36 日本人の為の香港労働問題研究: 継続的雇用契約Continuous Contract, Termination and Freelance

Updated: Apr 3


香港労働 Hong Kong Labor Issues
FILE PHOTO: Signing a Contract. © WiX

日本人のための香港労働問題研究:契約、解約、請負・委託


継続的雇用契約?連続性の雇用契約 Continuous Contract


香港の雇用条例(法律、条例とは支配階級の意思の表現である)は、何度も繰り返す様に連続性の契約(Continuous Contract; 継続的契約と訳すものもいる)が前提となる。この点も日本と異質である。これは、単に雇用契約の継続や継続的雇用契約を意味しない。


当該定義は、ある労働者が同一の雇用主に4週間連続で、毎週18時間以上勤務する場合に行為においてこの種の雇用契約を規定する。


つまり、連続性の雇用契約とはこの通称418に符合する雇用契約という意味である。日本語の継続的雇用ではない。なぜなら、継続的パートタイムがこの連続性の雇用契約の条件を往往にして回避されるからである。


法律概念は、一般の解釈や通念とは異なる次元の言葉遣い、解釈が行われる領域である。労働者は、この種の抽象的な領域に不慣れでも死活的に知らなくてはならない。ネオリベ社会は愚民政策を継続するからである。


雇用契約の解除


1、予告期間或いは予告手当


上記の418の条件に符合する雇用契約の場合、雇用主は労働者を解雇する場合に、予告期間か予告手当を与えなければならない。ただし、香港の場合は、予告期間を選ばない場合、予告手当を同様に雇用主側に支払う義務が労働者にも課せられている点が日本より劣る。


a. 双方が予告期間について無規定な場合、予告期間や予告手当は一か月以上でなくてはならない。

b.もし規定があれば、双方が規定した期間とそれに基づく計算の予告手当になるが、最低1週間以上でなくてはならない。


2、試用期間内の雇用契約終了


双方試用期間を設けた場合、


a. 試用期間の第一か月目は、双方予告期間も予告手当も不要で、即時解約できる。

b.試用期間の第一か月目以降は、双方が規定した期間とそれに基づく計算の予告手当になるが、最低1週間以上でなくてはならない。もし、予告期間や予告手当が無規定の場合も、最低1週間以上でなくてはならない。


したがって、どんなに規模のある大企業でもこの部分は、最低基準の1週間にしているのが多い。資本主義の論理そのものである。


3、法定年休と雇用契約終了


雇用主は、解雇をする場合、労働者が未消化の年休を勝手に予告期間に含めることはできない。ただし、雇用主は別途年休の買取をすることはできる。そして、労働者の側からは年休を予告期間に当てることができる。


4、産休と雇用関係終了


産休は、予告期間に含めることはできない。


5、即時解雇は懲戒解雇と訳すべきであり、この懲戒解雇では予告期間や予告手当が不要になる。雇用条例第9条では、現在労働者が雇用されている状態で、雇用主側は習慣法に基づく以下の状況に基づいて懲戒解雇ができるが、往往にして裁判になる。雇用主側は証明の刑事責任が生じる。


(1)資本家側

a.労働者が故意に合法的かつ合理的命令に服従しない。(単に不服従がダメなのではない)

b.行為が不当。正当で忠実に職責を履行する原則に符合しない。

c.詐欺或いは不忠実な行為。

d.職務怠慢

e.その他の如何なる理由でも、習慣法(主として判例法理、民法)に基づいて依拠があれば懲戒解雇ができる。


但し、現在はストライキ参加はこの様な懲戒解雇の理由にはできない。


注意:この即時解雇は、懲戒解雇と訳すのが正確で、これは最も厳重な規律処分であり、労働者が上記に該当する範囲で重大な過失を犯した場合に限られ、或いは何度も警告をした上で該当状況が改善されない場合に適用される。


(2)労働者側 (雇用条例第10条)即時解約と訳すべきである。

a.暴力や感染疾病傷害などの恐れがある場合

b.雇用主からむごい扱いを受ける。(単に殴る蹴るだけではなくその他も含む)

c.同一の雇用主に5年以上勤務し、尚且つ西洋医から当該労働に永久に不向きと認定された場合。

d.その他の如何なる理由でも、習慣法(主として判例法理、民法)に基づいて依拠があれば即時解約ができる。


資本主義社会において、労働者が即時解約をするのはさらなる不本意な継続勤務で被る精神的、肉体的損失、苦痛を免れるためであり、労働力の提供を拒否することは当該企業の剰余価値の生産過程に、つまり搾取過程に組みさないことであり、一時的に労働力不足の状況にさせることがきるが、懲戒解雇とは非対称的な不利な解決である。なぜなら、労働者は資本主義社会では雇用される必要があるからである。労働者側が不利なのはアプリオリに不平等として社会的に規定されている事である。従って真の公正とは中立ではない。


雇用関係と請負制、フリーランス


香港でも多くの業界で請負、フリーランスが存在する。建設業界、衣類製造の類に殊に多い。ある一定の工程の上で、請負制が存在する。請負責任者は、包頭、判頭という。包頭、判頭は、法律上は独立して営利を営む者であり、労働者ではない。従って、雇用条例の対象外である。しかも、労災保障は当然ない。彼らは、請負の過程で日本の土建業者同様、なんとか組(班、チーム)という兄弟分の様な形態で出現する。そして、請負工程に従事するが、一旦労働問題が発生すると、誰が責任を負うのか責任の所在の特定の問題が往往にして生じる。従って、労働者とこの責任者たる請負業者の識別が必要になる。


(1)労使雇用関係と請負関係の区別


判断をするのは法廷になるが、法廷は多種の要素を考慮する。まず重要なのは、請負のフリーランス契約をしたから直ちに請負関係を構成するとは限らない点である。いわゆる請負人は、実質的に独立して商売を営むのか、それとも雇用されているのか?以下が指標になる。日本も香港も共通した労働者性の証明の原則である。しかも、判例法理でも、法的意識においても、問題の自覚は日本よりもこの点に関しては香港は進んでいる。それは、その様な業務委託の労働者という脱法の手口が多いからである。


a.雇用者と呼ばれるものの仕事について、雇用主にふさわしい支配権があるか?

b.仕事に必要な道具を自ら所有しているか?

c.財政上のリスクを負うか?その性質や程度はどうなのか?

d.自ら他者を人手として雇用しているか?

e.自らのマネージメント(管理、経営)で利潤を生み出しているか?

f.投資、管理上の責任を負うか?その性質や程度はどうなのか?

g.正確に、当の指摘されるところの雇用主の商業的な営利組織の一員として認識されるか?

h.当該領域方面の利潤追求をしているか?

i.保険や税務の雇用主としての責任を負う必要があるのか?

j.双方がこの関係についてどう思うか?

k.当該業界や専門の伝統的な構造や慣例に理解があるか?


請負人の責任


請負人は、労働者を雇用する場合、雇用主である。雇用主は、雇用条例が規定する各種の福利や保障(例えば、有給休暇、シックリーブ、長期服務金など)について責任を負う。従って、ある工程を請け負う際は、契約の内容と自身の身分を正確に知る必要がある。そうでなくては、契約をしたのちに、雇用条例の保障する労働者への責任が全て自身にのしかかるなんて事になりかねない。


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香港で労使紛争に遭った場合の基礎的な注意事項


1、もし、雇用主と労働条件で労使紛争が起きた場合、直ぐに衝動的に書面や口頭で雇用契約を終了しないこと。当然、香港の人事部はマネージメントの追随及び人事の事務処理代行の域をでない低劣さが顕著なので、まずは、労働組合や労働問題の経験ある弁護士に一定期間相談するべきである。その上でも終了はいつでもできる。人材会社の連中は、日本同様労働問題の相談相手ではない。連中は、広告主である企業の人事部の意向と方便しか一面的に顧みない。

2、もし、雇用主に解雇された場合、いかなる文書にもサインしないこと。また、何かにサインする前に、自身に不利ではないかまず内容をよく見ること。不明な点は、質問しはっきりさせ、解答が不明瞭ならばサインは拒否するべきである。つまり、理解できないものは拒否すること。下劣な香港マネージメントは手口としてあからさまな詐欺を働く場合もあり、それはサイン無効として追究する道を開く。ここで、重要なのは、サインした全ての公式、非公式の文書はコピーを要求する権利があり、コピーを渡さないならばサインしないことである。このような卑猥な資本主義の犬に屈するくらいならばサインや合意を破棄するべきである。その方が労働者の精神的利害及び社会的契約上の権利の実現と言える。日本の求人詐欺の手口は基本的に香港でも存在している。多くの多国籍企業のアジア太平洋地区の本部は香港であり、人事部が実は香港という大企業も少なくない。手口自体の共通性はここから来ている。

3、紙媒体か電子媒体かを問わず、全ての企業関連の文書を保存すること。これは、雇用契約書から、就業証明、給与支払報告書、税報告書、解雇通知書などを含み、その後労働者の受けるべき権益を要求する基礎になる。

References

1.《勞資審裁處條例》https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap25!zh-Hant-HK

2.香港法例第57章《僱傭條例》僱傭保障Q&A http://www.labour.gov.hk/tc/faq/cap57k_whole.htm

3.勞資審裁處表格 http://www.judiciary.hk/tc/crt_services/forms/labour.htm

4.勞資審裁處條例 https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap25!en

5.第338章 《小額錢債審裁處條例》https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap338

6.Cap. 347 LIMITATION ORDINANCE https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap347!en?INDEX_CS=N

7.Cap. 149 General Holidays Ordinance https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap149

8.判例集 https://www.elegislation.gov.hk


雇用条例の全文は、以下の二つのリンクが有用である。日本語は、完訳済みである。


English: https://www.elegislation.gov.hk/hk/cap57

Chinese: https://www.labour.gov.hk/tc/public/ConciseGuide.htm


Statements


This series of articles about HK labor issues is written by Japanese due to supporting Japanese workers in Hong Kong where differs from Japanese working environment. Moreover, there is no labor consultant for Japanese workers in Hong Kong while facing blood sucking Japanese recruit agents and overseas Japanese 'Black Kigyo' (Evil Companies). Any part of this report may be disseminated without permission, provided attribution to Ryota Nakanishi as author and a link to www.ryotanakanishi.com is provided.


注意:香港には、日本人のための労働相談所はない。また、総じて労働問題対策の出版物は皆無に等しい。日本語だけでは、極めて危険な状態である。香港でも会社の人事部、就職エージェントや企業の人事コンサルタントなどはすべて行為において資本家側であり、自分たちも労働者であるのに、むしろ労働者と敵対するので、要注意だ。会社外の労組へ相談するべきだ。香港では日本人で労働問題を論じている者がいないと言うことはできない。私は永久に労働者階級のために階級闘争を戦う。階級闘争とは、労働者の階級的利害のための一切の社会的な闘いである。


香港労働 Hong Kong Labor Issues
Ryota Nakanishi's Hong Kong labor law knowledge was qualified by professional examination by HKFTU in 2019.
 Ryota Nakanishi's Hong Kong labor law knowledge was qualified by professional examination by HKFTU in 2019.
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